相手の気持ちをきちんと<聞く>技術 -気をつけたい6つの態度
2013年11月14日 公開 2023年01月11日 更新
アサーティブな会話とは
―― お互いを大切にしながら、素直に会話する
私は、長年にわたって「アサーション・トレーニング」(自己表現の訓練)を実施してきました。
「アサーション」(assertion)とは、お互いを大切にしながら、素直にコミュニケーションをするための考え方と方法です。
「聞いていますよ」のサインを出す
コミュニケーションは大きく次の3つのタイプでとらえられます。
(1)自分のことだけ考えて、他者を踏みにじる表現
(2)他者を優先し、自分を後回しにする表現
(3)自分のことを考えるが、他者をも配慮する表現
アサーション・トレーニングでは、
(1)を攻撃的(アグレッシブ)、
(2)を非主張的(ノン・アサーティブ)、
(3)をアサーティプ
といいます。
もちろん望ましいのは、自分も相手も大切にしたアサーティブです。
さて、「聴く」という視点からみると、「アサーティプな会話」とはどんな会話でしょう。
ひと言で言うと、相手に対して「聞いていますよ」というサインを出し続けている会話です。
視線、表情、姿勢、うなずきなどで、「あなたに関心があります」というさまざまなサインを出すことです。
理解したことを言葉でも伝える
もちろん言葉も使います。
「○○ということですね」
「ずいぶん頑張ってこられたのですね」
と、受けとったことを自分の言葉で伝え返すと、相手は聞いてもらったことがよりはっきりわかります。
<書籍紹介>
図解 相手の気持ちをきちんと<聞く>技術
コミュニケーション力をあげる近道は、人の話を聞くこと。自分の気持ちを「伝える」以上に重要な「聞く」技術をプロが解説する。
<著者紹介>
(ひらき・のりこ)
統合的心理療法研究所(IPI)所長、臨床心理士、家族心理士
1959年、津田塾大学英文学学科卒業後、ミネソタ大学大学院に留学し、カウンセリング心理学を専攻(教育心理学修士)。帰国後、カウンセラーとして活躍する一方、後進の指導にあたる。日本におけるアサーション・トレーニングの第一人者。立教大学カウンセラー、日本女子大学教授、跡見学園女子大学教授、東京福祉大学大学院教授を経て、現在、統合的心理療法研究所(IPI)所長。臨床心理士。家族心理士。認定カウンセラー。
主著に、『アサーション・トレーニング』(日本・精神技術研究所)、『自己カウンセリングとアサーションのすすめ』(金子書房)、『新版カウンセリングの話』『カウンセリングとは何か』(以上、朝日新聞出版)、『家族の心理』(サイエンス社)、『カウンセリング・スキルを学ぶ』(金剛出版)、『ほめ言葉ブック』(大和出版)、『図解 自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術』『子どものための自分の気持ちが〈言える〉技術』(以上、PHP研究所)などがある。