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うしろ姿に差が出る! できる男のビジネススーツ

唐澤理恵(パーソナルデザイン代表取締役)

2014年01月28日 公開 2024年12月16日 更新

エネルギッシュな行動派なのに、冴えない色のネクタイで消極的に見られたり、5年も10年も変わらない眼鏡フレームのために、時代の変化に無頓着な人だと思われたり……。

実は、見た目で大損しているかもしれません。

首相をはじめ政治家や財界人、企業役員から就活生、婚活中の社会人まで、3,000人の「見た目」をサポートしてきたパーソナルデザインのプロ唐澤理恵氏が、仕事の成果に直結する印象管理のノウハウを伝授します。

※本稿は唐澤理恵著『できる人はなぜ「白シャツ」を選ぶのか』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです

 

仕事の出来・不出来は、うしろ姿に表れる

意識されたことがないかもしれませんが、女性が男性のうしろ姿を「素敵」と思える瞬間は、ほとんどがスーツを着用しているときだといいます。

「肩と背中で決まる」スーツだからこそ、男のうしろ姿をもっとも美しく見せてくれるというわけです。欧州で長く育まれたスーツは、男の背中をより頼もしく見せてくれるためのノウハウの集大成といってもよいでしょう。

ところが日本では、街を歩くビジネススーツの男性のうしろ姿にがっかりさせられることが多くあります。

バブル時代からよく見かける"肩がずれ落ちたブカブカスーツスタイル"男子のほか、最近増えてきたのが、"肩も背中もパツパツで、丈まで短く、お尻が丸見え"の七五三スーツスタイル男子です。流行なのかもしれませんが、本場英国でいう「男の背中は人生を語る」という観点で言うならば、一言、"未熟な人生"を語るという他ありません。

自分ではなかなか見ることのできないうしろ姿だからこそ、その姿が内面の美しさにもつながるのです。たとえば女性は、あなたのうしろ姿から、どんな仕事ぶりなのか、家の中はきれいに整理されているか、女性に対する接し方はどうかなど、果てしなく想像を広げています。

「自分では見えないから」では済まないうしろ姿をマネジメントすることは、できる男には欠かせない仕事です。

そのために、まずはうしろ姿を最も素敵に見せてくれる"スーツ"を徹底的に追求してほしいと思います。40歳を節目にオーダースーツを体験することをおすすめしますが、そこまでコストをかけられないようであれば、セミオーダーという手もあります。

それも無理という人は、既製品スーツでもかまいませんが、肩合わせをしっかりとしてもらい、できる範囲で直しを入れてもらいましょう。現に私のスタイリングでは、紳士服の安売量販店でも、ある程度はお直しの注文を聞き入れてくれます。

もともと肩が狭い人やなで肩の人は、肩パッドなどを活用するとよいでしょう。ヒップレングスの上着は、ヒップの下の部分がきれいに隠れている必要はありますが、軽やかさを印象づけたいときは若干短めにします。

貫禄や落ち着きを表現したいときは、若干長めにしておくとよいでしょう。しかし、短すぎる丈は未熟で危なっかしい印象に、長すぎる丈は野暮ったく鈍い印象につながりますので、くれぐれも気をつけましょう。

安いスーツでも、自分に合うようにする方法はいくらでもあるものです。「安く買えれば何でもよい」という姿では、追求力や交渉力のない仕事ぶりを連想されてしまっても仕方がありません。

もうひとつ、うしろ姿をステキに見せてくれるかどうかを左右するパーツがあります。スーツの裾の切れ込み部分の“ベント”です。中央に1か所切れ込みがあるセンターベント、左右に2か所あるサイドベンツ、何も切れ込みがないノーベント等です。

センターベントは、乗馬の際に裾が巻き込まれず、皺になりにくいようにとつくられたもの。サイドベンツは、腰にサーベルの鞘がきれいに覗くように設計された軍服用のベント。ノーベントは、動きが激しくないときに着用する、つまりフォーマル用です。

そのため、センターベントは「スポーティ」な印象、サイドベンツは「権威的」な印象、ノーベントは「エレガント」な印象を醸し出すとされています。

こうした意味合いを知ったうえで、場面に応じて相手に与える印象をコントロールすることも、コーディネイト・スキルのひとつになるでしょう。

体型から考えるなら、ヒップが大きめの方にはサイドベンツをおすすめします。ヒップの動きで開きっぱなしになっているセンターベントは、ステキなうしろ姿とは言えません。ベントがあってもなくても、ヒップまわりが無理なくすっきりと体にフィットしていることが、素敵なうしろ姿のポイントです。

このように、ベントひとつとっても奥が深いスーツですが、その歴史を知ることが印象マネジメントに大いに役立つことを知っていただきたいと思います。

自らを客観視しながら素敵なうしろ姿をつくることは、自分が作成した企画書を客観的に、しかもあらゆる方向から検討するのと、まったく同じことなのです。

[ うしろ姿には、「客観視する力」が表れる ]

 

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ビジネススーツは濃紺、ダークグレイが正解

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