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櫻井孝昌×和田彩花 特別対談~PHP新書『乙女の絵画案内』刊行記念 

櫻井孝昌(作家・プロデューサー),和田彩花(アイドルグループ「スマイレージ」リーダー)

2014年02月28日 公開 2024年12月16日 更新

本サイトで連載しご好評をいただきました 『和田彩花の「乙女の絵画案内」』 が、さらに内容を充実して、2014年3月15日、PHP新書より刊行されました。
そこで、発刊を記念して、本書のプロデューサーである櫻井孝昌氏と著者和田彩花氏が対談し、本書ができたきっかけから、絵画にまつわる話など、楽しいトークが展開されました。

 

『乙女の絵画案内』誕生のきっかけ

櫻井 あやちょ(和田彩花)の絵画案内本をプロデュースできる日が来るなんて、2011年に初めてスマイレージをインタビューしたころは思ってもいなかったなあ

和田 ほんとうにそうですね。

櫻井 あやちょが美術が好きって知ったきっかけは、読売新聞のスマイレージへのインタビュー記事に1行、「マネが好き」と書かれていたことなんだよね。それで、僕が編集者だった20代のころに手がけた美術関係の本をプレゼントしたり、あやちょがそのことをブログに書いてくれたりしたことが、今回のプロジェクトへの第一歩だった。

和田 『名画読本』シリーズ(赤瀬川原平著、光文社)ですよね。とてもおもしろかったです。

櫻井 その後、インタビュー記事であやちょが絵画のことを話しているのを読むたびに、美術に関する知識がどんどん増えているのがわかって嬉しかった。レンブラントにはまりだしたんだ~、とかね。

和田 ふつうはマネから印象派へと興味がうつるところを、レンブラントへと時代をさかのぼってしまいました(笑)いまにして思うと、そっちにいくの? そのときの私! とつっこみたい感じです。

櫻井 あやちょらしい(笑)そして、昨年、あやちょと美術の話をしたときに、絵を観る視点がすごくおもしろかった。それで、PHPの僕の担当編集者に「和田彩花という美術が好きなアイドルがいて……」という話をしたら、「その企画、ぜひやりましょう!」というふうにのってくれて、今回本を出すことになったんだよね。

和田 はい。最初は私にできるのかなあって不安な気持ちもありました。でも、美術館にいっしょに行ける仲間がもっとほしいし、みんなに絵画を楽しんでもらいたいので、思い切ってチャレンジすることにしました。

櫻井 あやちょが美術にハマるきっかけは、マネの絵を観たことだよね。

和田 マネはすごいです。マネに出会ってなかったら、こんなふうに美術史を専門的に学ぶこともなかったかもしれません。
 さらにいうと、初めて出会った絵がマネでよかったなと思います。あのとき観た絵が、たとえばモネだったら、こんなに美術にハマってなかったかもしれない。いまは視野も広がって、モネも大好きになったんですけどね。

櫻井 モネが始まりだったら、「きれいな絵だなあ」で終わってしまったかもしれないね。

和田 はい。とても有名だし、小学校のときに先生に見せられたような絵だったから、「この人、知ってる」で終わっていたかもしれません。でも、マネはもう別世界でした。それまで私が観たことがない世界が広がっていたんです。この出会いはすごい奇跡でした。

櫻井 ほんとだね。芸術との出会いってきっとそういう奇跡が大事なんだ。

和田 心のすきまに絵がグッと入ってきて、ガッとつかまれると、帰れなくなっちゃうんです。もうむかしの私には戻れません(笑)

 

美術が好きでよかった!

櫻井 本格的に絵が好きだということに気づいたのはいつ?

和田 マネに興味をもったあとは、とりあえずいろんな絵を観にいこうって思いました。母にも「こんな展覧会あるよ」と教えてもらったりして。絵がほんとうに大好きなんだと気づいたのは、たぶんちょっと経ってから。ふと気づいたら、そのときはもう……です。絵画を深く観るようになったのは、いろいろ美術関連の本を読みはじめてからですね、きっと。

櫻井 そうなんだよね。最初は絵を観るのに知識なんか必要ないって思うんだけど、でも実際は知識が入ると、圧倒的に絵画鑑賞がおもしろくなる。

和田 はい。まさにそのとおりでした!

櫻井 美術史を勉強しないころは、絵を観るのにそんな頭よさげにするのもどうかなとか、つい斜めに考えてしまいがちだけど、素直に勉強して、ある程度の知識をもって絵を観ると、さらにおもしろくなるんだよね。

和田 はい、もうぜんぜん違う。いまのほうがずっと楽しいです。絵が描かれた背景を知ることで物語が生まれてきて、絵を観る楽しみがまったく違ってくるんです。

櫻井 あやちょも、美術に興味をもつまで歴史をこんなに勉強するとは思わなかったんじゃない?

和田 そうですね。歴史の勉強、ものすごく苦手でした。でもロココ時代の絵が好きになって、マリー・アントワネットに興味が出てきたり。連載を始めてから、レポートでフランス革命についていっぱい書いたんですよ。美術が好きでほんとうによかったと思いました(笑)

櫻井 同じ絵でもそこに秘められたドラマがわかると、見方が変わってくるんだね。

和田 見方も変わるし、好きな絵も変わるし、いろんな変化が自分のなかに起きてきます。人生が変わっちゃいますよ!

櫻井 あやちょは、ほんとうによく美術館に行ってるよね。

和田 空いている時間があればすぐに行っちゃいます。

櫻井 最近は企画展だけじゃなく、常設展にも行きはじめたようだね。

和田 特別展はその期間じゃないと観られないし、行けるときにすぐ行こうみたいな感じです。でも常設も常設で、その美術館がずっと大事にしてきた絵が見られるのだから、大切にしないといけないなって最近思うようになりました。

櫻井 そうだね。それに常設展は比較的空いているから、ゆっくり絵を観ることができる。

和田 いいですよね。

櫻井 絵に囲まれてベンチに座っているのとかたまらない。

和田 あの時間が幸せなんですよね。この本では美術館にお邪魔して、学芸員の方にお話を聞いたりもしました。やっぱり知識とかすごいなあと思いますし、あこがれちゃいます。

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やっぱり印象派はすごい

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