成果をに差をつける“時間管理”…優秀なビジネスマンが「Plan」より重視するもの
2011年05月17日 公開 2021年05月10日 更新
日々、成果を求められるビジネスマンに欠かせないのが「タイム・マネジメント」。しっかり時間を管理できていれば、無駄をなくし、最短距離で結果を目指すことができる。
タイム・マネジメントに関連して「Plan-Do-See」というサイクルがあるが、デキるビジネスマンは一見重要そうな「Plan(計画)」ではなく「See(振り返り)」を大切にするという。
コンサルティングを行うマーキュリッチ株式会社の代表・西野浩輝氏も、もとは「See」を意識していなかった。しかし実践していく内にその重要性に気づいたという。
「See」を駆使した段取りのコツとは?詳細に解説していく。
※本稿は、西野浩輝 著『人生が変わる「段取り」の習慣』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
「タイム・マネジメント」時間管理における段取り
1日は24時間。これは誰もが平等に与えられた時間である。しかし、その使い方次第で、この平等な時間のなかで上げられる成果は、大きく変わる。限られた時間のなかで、より大きな成果を出すために、タイム・マネジメントは欠かすことのできないものである。
それにより、仕事の時間当たりの密度が高まり、またロス・タイムを減らすこともできる。そうすれば当然、仕事は効率化し、パフォーマンスは向上する。そこで、ここではタイム・マネジメントの観点から段取りの技術についてお話ししよう。
「Plan」と「See」に10%の時間を
私がかつて在籍していたことのあるリクルートの創業者・江副(えぞえ)浩正氏の言葉に次のようなものがある。
計画と振り返りに、1日に働く時間の10%を使うべきである。この言葉を聞いて、皆さんはどのように感じるだろうか。江副氏の言葉に従うと、1日10時間労働をしているサラリーマンは、仕事の計画と振り返りに1時間を割くことになる。
私はこの言葉を聞いたとき、「それは時間の使い方として果たして正しいのだろうか。それよりも、その時間を業務遂行の時間に充てたほうが、よっぽど効率的ではないだろうか」と半信半疑に思った。だが、江副氏は名経営者である。それだけの人が言うのだから、一度試してみる価値はあると考えた。
そこで私は、仕事に取りかかる前に、「To doリスト」に書き出した、「今日一日でやるべきこと」をどのようにこなしていくか、それをイメージする時間を十分確保するようにした。また、一日の終わりには、その日を振り返り、反省点や改善点を書き出すこともはじめた。
結果、思った以上の成果を私にもたらしてくれた。その内容をもう少し具体的に述べよう。
まず、一日のはじめに仕事の計画を緻密に立て、十分なイメージングを行うことで、その日の一分一秒を効率的に使おうという意識が生まれた。また、一日の終わりに振り返りを行うことで、自分の傾向が明らかになった。
要は、自分の「強み」「弱み」や行動における「無駄」がはっきりした。それをもとに、日々の行動改善に取り組むことで、仕事の効果・効率が大きく向上した。
つまり、計画と振り返りをやっことで、非常に効率的に時間を使えるようになったのだ。 そのなかで、とくに重要な役割を果たしたのが、「振り返り」すなわち「See」である。
経営コンサルタントとして活躍する新将命(あたらしまさみ)氏も、先ほどの江副氏とよく似たことを言っている。彼は、製薬メーカーのジョンソン・エンド・ジヨンソン社長や家電メーカーの日本フィリップス副社長など、世界的な企業のトップマネジメントを歴任してきた人物。その新氏も「See」の重要性をこのように説いている。
「『Plan-Do-See』のなかで、もっとも重要なのは『See』である。この『See』を行うことは非常に難しいことであり、私の経験上、これができる人は全体の約10%に過ぎない。しかし、これができている人は成功している」。
仕事における「See」とは、文字通り「振り返り」のことである。優秀なビジネスパーソンは、この「See」を重要視している。彼らの成功の秘訣は、この「See」にあると言っても過言ではないだろう。