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生き方

目標を実現できる人、できない人~現状維持の人生にイノベーションをもたらす方法

久野和禎(プロコーチ)

2017年01月20日 公開 2017年01月27日 更新

低いゴールより高いゴールのほうが達成しやすい

ここまで読んで、「ウォルト・ディズニーやスティーブ・ジョブズは天才だから、不可能を可能にすることができたんだろう」と思った方がいるかもしれません。

たしかに、直感的にゴールドビジョンを獲得した彼らは天才です。

でも、あなたが彼らのようになってはいけないという理由などないはずです。

彼らのような天才ではなくても、脳が働く仕組みを学べば、ゴールドビジョンを見つけ、実現することは、決して難しいことではありません。そして、ここに脳の「現状維持」を突破する秘密があります。

まず必要なのは、「ゴールを設定すること」です。ゴール設定によって、「無意識」にそのゴールが浸透していきます。そして「無意識」が働き始めるのです。ゴール設定がなければ、「無意識」が働くことはありません。

ちなみに、ゴールを設定するときは、なんとなく頭で思い浮かべるのではなく、紙に書き出し、ときには声に出して読み上げると、よりパワフルに「無意識」に働きかけることができます。

さらに、孫正義氏がみかん箱の上で宣言したような、明らかに現状の外にありそうなゴールを設定することが重要です。

年収500万円の人であれば、「年収5000万円を稼ぐ」。

TOEIC400点であれば、「TOEIC950点を取る」。

「そんなの無理」という声が聞こえてきそうですが、現状を超えて突き抜けるためには、こうした現状をはるかに超えたゴール設定が必要です。

ではなぜ、「年収800万円」「TOEIC600点」といった、がんばれば手が届きそうなゴール設定ではいけないのでしょうか。

それは、脳は「現状維持」が大好きだからです。現状を少し超えた程度のゴールは、脳にとっては現状の一部にしか感じられません。

脳が「ああ、この程度のゴールなら今までどおりでいいんだ」と判断すると、「現状=コンフォートゾーン」という安定した状態を変えるために必要なだけのエネルギーが生まれず、ゴール実現のための活動も行なわれないので、結果、「ゴールが実現しない」ということになりがちなのです。

しかし、「年収5000万円」「TOEIC950点」といった、現時点では一見するとありえないゴールを設定すると、現状の中でコツコツやっていては実現できませんから、脳が現状の外で考え始めるようになり、発想に大きな飛躍が生まれます。それにより、現状とは次元が違う発想、そして成果を生むことが可能になるのです。

「次元が違う」と書きましたが、これはいわば雲の上に顔を出すようなイメージです。雲の上から地上を見れば、広く全体を見渡せるように、高いゴールをもてば、それまでの自分の現状がいかに狭かったか、また、いかに多くのことが盲点になっていて見えていなかったか、ということに気がつきます。その結果、物事の本質をとらえられるようになり、誰も気がつかなかった突破口を見出せるようになるのです。これを「イノベーション」といいます。

「現状を超えて突き抜ける」とは、あなたが今、「常識」としてとらえている世界の天井(雲)を超えて、その上に立つこと。そして、その天井を踏み切り台にして、より高く跳び上がることを意味します。

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著者紹介

久野和禎(ひさの・かずよし)

プロコーチ

コノウェイ株式会社代表取締役。一般社団法人コグニティブコーチング協会副代表。プロコーチ。
1974年、横浜市生まれ。東京大学経済学部卒。筑波大学MBA(International Business専攻)。幼少期をサンフランシスコ、中学高校生時代をロンドンで過ごす。大学卒業後に起業し、2社を並行して経営した後に人材系企業を経て、複数の外資系大企業(タイコエレクトロニクス〈米〉、フィリップス〈蘭〉、ビューローベリタス〈仏〉)で多様なマネジメントポジションを担う。その後、ProFuture を経て、2015 年12 月にコーチングを軸としてコンサルティングを加えたサービスを提供する総合経営支援企業、コノウェイ株式会社を創業。全米で数多くの企業・組織に導入されているルー・タイス氏の手法と、苫米地英人氏から学んだ認知科学の知見を融合させ、独自の目標実現メソッド「ゴールドビジョン・メソッド」を開発。大企業役員、中小企業社長、マネージャー、現場のビジネスパーソンまで幅広い対象のクライアント層に対してコーチングを行なっており、グループ、マンツーマンで1000人以上に対してのコーチング実績を有する。企業に対しては、個々の強みを活かしながら組織にハイパフォーマンスカルチャーを醸成・定着させることを得意とする。テンプル大学にて認知心理学(コーチング)の講義を担当。

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