目標を実現できる人、できない人~現状維持の人生にイノベーションをもたらす方法
2017年01月20日 公開 2017年01月27日 更新
思い描いた未来が現実になるゴールドビジョン
世界企業は必ずゴールドビジョンをもっている
ウォルト・ディズニーには、ディズニーランドがまだ世界に生まれていなかったとき、ただひとり、切り拓かれた土地にシンデレラ城がそびえ建つビジョンがはっきりと見えていました。しかし彼以外の人間は、兄のロイ・ディズニーを含め、ディズニーランドの話を「夢物語だ」と一笑に付しました。
それでも、ウォルトは彼の頭の中に細部にいたるまで見えていたビジョンをデザイナーとともに1枚の絵に仕上げて、スポンサーに熱く説いて回り、彼ひとりの空想にすぎなかった「夢の王国」を現実の世界に作り上げたのです。
また、コンピュータが軍事や大企業などの利用に限られていた時代、アップル社を創業したスティーブ・ジョブズは、「普通の人にパーソナルコンピュータを届ける」というビジョンをもち、それを実現した後は「宇宙にインパクトを与える」と公言し、全社員に「まだ誰も見たことがない製品を作れ」と命じました。
彼のその途方もないビジョンはiPadやiPod、iPhoneによって世界中の人々の生活や文化を根底から変えることで実現されたことを私たちは知っています。
世界トップクラスのブランド価値を維持するグーグル社のビジョンは「ワンクリックで世界中の情報へのアクセスを可能にする世界」です。今となれば当たり前に聞こえるこのビジョンですが、グーグル以前に、そうした世界が見えていた人がいったいどれだけいたでしょうか。
海外の企業だけではありません。ソフトバンクの孫正義社長は、会社を立ち上げた頃、みかん箱の上に立って、「今後数十年で事業規模1兆円の会社を作る」と宣言しました。
当時はまだ中小企業とも呼べない小さな会社で、大言壮語ともいえるビジョンを聞かされた当時のアルバイトや社員たちは皆、あきれて辞めてしまったといいます。ところが、その後、ソフトバンクが孫氏の宣言どおりに発展したことは、ご存じのとおりです。
ちなみに、孫氏のはるか以前に、ホンダの創業者、本田宗一郎氏がみかん箱の上に立ち、「世界のホンダになる!」と宣言したというエピソードもよく知られています。
これらの数々の世界企業の例が示すように、現状を超えるような高いビジョンを掲げなければ、新しいことを生み出すことはできません。
誰もが「不可能だ」と思うようなこと。
まだ誰も実行してもいない、考えてもいない世界。
それがゴールドビジョンであり、世界企業にまで発展するような企業は、そうした現状を超え、さらにその先へと突き抜けるビジョンをもっているからこそ、繁栄にいたることができているのです。