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「子曰く...」なぜ『論語』は2000年経った今も読み継がれているのか

佐久協(作家/元慶應義塾高等学校教師)

2011年10月01日 公開 2022年12月27日 更新

声に出して読んでおきたい『論語』

『論語』は、日本では「素読(そどく)」といって、先生が声を出して読み、その後を生徒が大声で繰り返すという方法で教えられてきました。

「読書百遍、意おのずから通ず」で、細かな意味を覚えるよりも、まずはリズムを身体にしみこませるのです。ひとつみなさんも大声で読んでみてください。

子曰く、学びて時にこれを習う、またよろこぼしからずや。朋(とも)、遠方より来たるあり、また楽しからずや。人知らずしていきどおらず、また君子ならずや。    (学而 第一 - 一)

【口語訳】 学んだことを実習してみるのは面白いことだよ。同じ目標を持った者が知り合いになって友だちがどんどん増えるのは楽しいことだぞ。世間が認めてくれなくたって、自分で自分を認めていれば十分じゃないか。

          ◇◇◇

子貢(しこう)問うて曰く、一言(いちげん)にしてもって終身これを行うべきものありや。子曰く、それ恕(じょ)か。己の欲せざるところを人に施すことなかれ。   (衛霊公 第十五-二十四)

【口語訳】 弟子の子貢が一言で一生守るべき言葉がありますかと訊(き)いたので、「思いやりだろうかね」と答えてやったよ。自分がされたくないことを人にしてはあかんということだよ。

          ◇◇◇

曽子曰く、吾れ日に吾が身を表す。人のために謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしか。   (学而 第一-四)

【口語訳】 弟子の曽子が言った。わたしは一日に次の三つを何度も反省する。人の相談に乗った際に真心をつくせたろうか、友人とつきあっていい加減なことを言わなかったろうか、まだ自分が身につけていないことを偉そうに受け売りしたりしなかったろうかと。

 

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