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40代の必須スキル。成毛眞が教える「書くアウトプット」3つのコツ

成毛眞(HONZ代表)

2018年06月27日 公開 2022年11月30日 更新

コツ2:100字×8で構成する

長さの目安はひとまず、800字がいいと私は思う。ただ、いきなり800字を書こうとしても、それは、ランニング未経験者がいきなり10キロも走ろうとするようなものだ。まずは1キロを目指して走れよと言いたくなるだろう。文章も同じ。まずは100文字を目指せばいい。

その100文字のブロックを8つ作れば、あっという間に800字だ。では、どんな100文字を8つ集めるのか。そこが文章構成力ということになる。

「HONZ」でニューフェイスに書評の書き方を教える場合には、次のように、やはりブロックを意識させるようにしている。

第1ブロック:その本の印象の紹介。

100文字で、この文章を読む人に、どう思ってほしいかを伝える。面白い本なんだなと思ってほしければ、100文字を使って面白い本であることを伝える。

第2ブロック:その本の読者の想定。

100文字で、この本はどんな人におすすめか、読者について言及する。そこに自分が当てはまると思った人は、その先も読み進めることになる。
「社会人におすすめ」ではなく、「仕事に慣れてきて、新しいことに挑戦したいとうずうずしている社会人におすすめ」などと、できるだけ具体的に。

第3ブロック:その本の中身の紹介1。

100文字で、その本の面白さはどこにあるのか、その全体感を伝える。歴史の本なのか、科学の本なのか、書いたのはどんな人なのか、このブロックを読めばざっと把握できるようにする。

第4ブロック:その本の中身の紹介2。

中身の紹介を100文字でするというのはなかなか難しい。文字数が足りないのだ。そこで、もう1ブロックを概要紹介にあてる。できれば、第2ブロックとは別の側面をピックアップできると良い。

第5ブロック:その本の具体的な中身の紹介1。

つまり引用だ。代表的かつ特徴的な文章を引用し、なるほどこういうことが書いてある本なのかと理解してもらう。ここは100字にこだわらず、多少、文字数が前後しても良しとする。柔軟であることが肝要だ。

第6ブロック:この本の具体的な中身の紹介2。

ここも引用だ。第5ブロックで紹介した文章の次に、代表的かつ特徴的な文章を引用する。さらに理解を深めてもらう。

第7ブロック:この本の著者の具体的な紹介。

第2ブロックあたりで著者については紹介済みのはずだが、文章を紹介した後なので、それを書いたのはどんな人? という関心を持った読者へのサービス精神をここで発揮する。

第8ブロック:なぜこの本を取りあげたのかだめ押しをする。

面白そうだな、読んでもいいかなと思っている読者に、読みたい、読む、と決断させるためのブロックだ。

こんな具合に構成すれば、800字などあっという間だ。紹介するのが本でなければ、引用にあてたパートは、使い勝手や試用感などに置き換わるだろうが、大枠の構成は変わらないはずだ。

そしてお気づきだろうか、ここでの第1ブロックから第8ブロックまでの解説文は、すべて合わせて約800字になっている。100字×8は、使い回しの利く構成なのだ。

この100字×8に慣れてきたら、ブロックごとの入れ替えをしてもいい。

実際に私も、一晩寝かせた後に、頭から読み直し、リズムを確かめながら、ブロックの入れ替えをすることがある。第1ブロックと第8ブロックは不動だが、それ以外は案外と、入れ替え可能だ。

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コツ3:接続詞で読み手のリズムを整える

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