今から育てる! 医学部に合格する“医学部脳”の作り方
2018年09月20日 公開 2023年01月30日 更新
親自身のネットリテラシーを高め、子どもに正しい情報の見分け方を教える
インターネットがインフラの中枢を占める社会において、“情報”ほど諸刃の剣はないと私は考えています。そして、残念ながら医学部に落ちてしまう子は、たいてい情報に振り回されてしまっています。
そもそも医学部受験に関する大量の情報がネットや書籍で出回っています。医学部への人気が加熱すればするほど、その情報量は増える一方です。
それらの情報は。大量がゆえに珠玉混合です。情報に対する真偽の判断力や取り扱いのスキルがないと、ただただ情報に振り回されて結果が出ずに終わってしまいます。
ただでさえ最近では、幼い頃からネットに触れる機会が増えています。
情報があふれ、かつ容易にアクセスできる環境で子育てしていくためには、正しい情報リテラシーを子どもに教える必要があります。
子どもがネットの情報をそのまま鵜呑みにしてしまうことを見過ごしてしまうと、自分の頭で物事を判断できない子どもになってしまいます
ネットを使って情報を集めた子どもに対しては、「その情報の出所はどこなのか?」「何でその情報が正しいと思ったのか?」そういったことも含め、検索の仕方や、集めた情報のまとめ方、情報の出所の確認方法を年齢に合わせて教え込んでいくべきなのです。
そのためにも、親御さんは単に検索の方法を教えるだけでなく、集めた情報の取捨選択の判断基準や、その絞り込んだ情報のまとめ方を合わせて教えるなど、ご自身の情報リテラシーも高めた上での教育が必要となるでしょう。
親がネットの表層的な情報を鵜呑みにしていると、子どもも情報に振り回されるようになってしまうのです。
面接試験に合格するスキルは、子どもへの「なぜ?」の簡単な質問で伸びる
最後に求められるのは「説明力」です。
医学部入試では、ほとんどの大学で面接試験が必須となります。そのため、面接試験で高得点を取るための最も重要なスキルが「コミュニケーションスキル」なのです。
そのコミュニケーションスキルの中でも「説明力」はかなり大きなウエイトを占め、医学部に受かる子は共通点して、高い「説明スキル」を身につけています。
なぜなら、医学部の面接試験では、「自分がなぜ医学部を志望しているのか?」「将来、どんな医者になりたいのか?」「出生前診断診断についてどう思うか?」といった質問に対する答え方、その内容が評価の対象になるからです。
さらに、近年の医学部入試では集団面接としてグループディスカッションやディベートなどを実施する大学も増えてきました。
そのため、より一層、自分の経歴や自分の考えなど、「自分のこと」を相手(面接官)に伝えるスキルが必要となってきているのです。
子どもが幼い頃から、親は「どうしてそれをやりたいの?」「このニュースについてどう思う?」などの質問を投げかけて、自分の考え自分の言葉で説明させる習慣をつけてあげるのです。そうすることで、自分の考えを自分の言葉で表現する思考が育ちます。
もちろん、「人類はこれからどこに向かうと思う?」のような難解な問いかけではなく、日常生活の中で起こっている些細ないことを、自分の言葉で説明させる習慣をつけるようにしてください。
ここまでお話ししたように、教育によって“医学部脳”は身につけることができます。もちろん、受験勉強を通して育むこともできますが、できるだけ早い段階からこういった考え方や思考力を身につけておくと“医学部脳”は伸ばしやすいと思います。
“医学部脳”をつくって目標の医学部に合格する人が増えるとすれば、いち教育者の端くれとして、それに勝る喜びはありません。