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まさかの全米売上No.1! クリントン元大統領に小説を書かせた「スーパー弁護士」

山口晶(早川書房)

2018年11月22日 公開 2024年12月16日 更新

<<全米で100万部を超えるベストセラーとなり大きな話題を読んだ小説 'The President Is Missing" 。その売上もさることながら、注目を集めたのは、作者が元大統領のビル・クリントン氏であることだ。

エンターテインメント小説の旗手、ジェイムズ・パタースン氏とのタッグで書き上げたこの物語は、世界の危機を救うべく敢然と一人で立ち向かう大統領を描きつつ、アメリカ大統領ならではの葛藤や矜持がリアルに描写され、全米の読者の心を掴む作品となった。

そして、このまさかの「作者・元大統領」を実現した裏には、一人のスーパー弁護士の活躍があったーー。>>
 

クライアントは王族から元大統領まで。スーパー弁護士ロバート・バーネット

ロバート・バーネットはワシントンのウィリアムズ&コノリー法律事務所の弁護士だ。

クライアントには元大統領のバラク・オバマ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、イギリス王室のプリンス・チャールズ、元イギリス首相トニー・ブレア、元FRB議長アラン・グリーンスパンら錚々たる大物が名を連ねる。
ちなみに、上記の元大統領たちの妻ミシェル、ヒラリー、ローラも全員、バーネットのクライアントである。人呼んで「スーパー弁護士(Superlawyer)」。

バーネットはワシントンでキャリアを終えた政治家や官僚の再就職先を斡旋することに長けている。クリントン政権時代の財務長官ローレンス・サマーズが退官後にハーバード大学の学長に就任したのもバーネットの仲介だった。

バーネットのクライアントになれば、大手企業の社外取締役に収まったり、講演エージェントの手引きで世界中を回り高額の講演料を手にしたりということが可能だという。また、大統領選挙の候補者のディベートのサポートも得意としていて、これまでに共和党、民主党に関係なく、10人の候補のコーチを務めた。古くは父のブッシュから、息子のブッシュ、クリントン、オバマを当選に導いた。

アメリカの弁護士の仕事は我々が想像するよりはるかに幅広い。

しかし、バーネットが「スーパー」と呼ばれるゆえんは、就職斡旋や選挙のサポートにあるのではない。彼の名声の大部分は、元政治家や著名人の出版権販売の仲介の手腕に由来する。

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史上最高額の"60億円の出版契約"をも実現

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