職場の「やっかいな人」から身を守る方法
2018年12月11日 公開 2023年09月05日 更新
職場の「やっかいな人」④⑤⑥
④想像力欠如型
「自分」を主語にしてストレートに気持ちを伝える
他人の気持ちがわからないタイプ。「こんなことを言ったら傷つけるかも」といった想像力を持ち合わせず、デリカシーのない発言を連発します。
営業仲間に「最近成績悪いな」などと、本人が気にしていることを言うのがよく見られるパターン。
女性社員に「最近太った?」と容姿をズケズケ指摘したり、「カミさんとうまくいってないの?」などとプライベートに土足で踏み込んだり。はたまた、「モテない同士、仲良くしようぜ!」といった仲間意識の押し付けも得意技。自分が気にしていないから相手も気にしていないだろう、と勝手に決めつけてくるのです。
こういう人への対処法はシンプル。感じたことをそのままストレートに言えばOKです。
その際のポイントは二つ。一つは、「『冗談のつもりかもしれないけれど』、私、けっこう傷つきました」と、クッション言葉(この場合、「冗談のつもりかもしれないけれど」)を用いて言うこと。これにより、両方とも感情的にならずにやりとりできます。
もう一つは、自分を主語にすること。「あなたはひどい」と言えば向こうは防御に走り、「自分は悪くない!」と主張してくる可能性大。「『私は』傷ついた」という反論できない事実を伝えれば、向こうも素直に受け取れます。
⑤特権意識型
自分は特別だと思う人には仕事のルール化で対抗
自分は特別な存在だ、と頭から信じ込み、その雰囲気を振りまくタイプ。高学歴エリートや経営陣の血縁者、際立った美人などによく見られます。
特徴的な行動は「義務のスルー」。例えば、若手社員が交替で行なうファックス確認などの雑務を自分はしなくていいと思っています。「なんで僕がそんなことを?」と口に出したり、無言のまま「自分は特別に免除されている」という空気を醸し出したりします。
しかも、なぜか周囲もそれを許容してしまいがち。これほど酷くなくても、「○○大学を出ている自分は他の人とは違う」「正社員だから派遣社員よりも上」などと平気で言い、上から目線な人もこのタイプに分類されます。
こういったことから生まれる小さな「アンフェア感」はいずれ大きなストレスになり、チームワークを乱す元になります。ここは被害者どうしで共同戦線を張り、対処することが必要です。
と言っても、露骨に非難するのはNG。雰囲気に流されている人々が向こうの味方に回り、なぜかこちらが悪者にされてしまう危険もあります。
そこで、会議やミーティングなど公式な場で「雑務の交替制」を改めてルール化する提案をしましょう。フェアなシステムを作り、そこに相手を組み込むのがコツ。明文化と共有によって、角を立てずに「包囲」しましょう。
⑥被害者意識型
パワハラ上司にされないためにフラット&丁寧に接すること
少し注意されただけで過剰反応し、感情的に騒ぎ立てる危険人物。若手や新入社員によくいるタイプです。よく言うセリフは「なんで私だけ?」。自分だけが損しているという思い込みに支配され、それが他人への攻撃に転じるのがパターンです。
客観的に見れば本人の被害者意識が強すぎるだけなのですが、騒ぎ立ててあっという間に重大事にしてしまうのが得意技。ウカウカしているといつの間にかパワハラ上司に仕立て上げられ、ときには訴えられることもあるので要注意です。
防御策としては、部下全員にフェアに接することが大前提。特定の人物に厳しくしたり、贔屓したりするのは厳禁。業務量の偏りも極力防ぎましょう。そのうえで、相手に注意をするときには次の三つの心得を持ちましょう。
一つ目は「人のいるところで」。二人きりの場所で注意すると、どんなふうにも事実を曲げられてしまいます。
二つ目は「丁寧に」。周囲の目から見ても「キツい言い方ではなかった」という証拠を残しておくことが大切です。
三つ目は「客観的な事実」を言うこと。「だらしないなあ」などといった主観的な言い回しは避け、「10分の遅刻だよ」「この件、期限は今朝だったね」などと、起こった出来事をフラットに伝えることが大切です。
≪『THE21』2018年12月号より≫
≪取材・構成:林 加愛≫