「はじっこ」にいると気づけるようになる
そもそも、道を外れてしまったから迷ったのです。きちんとまん中を歩いていたら、ガケから落っこちて道に迷いはしないはずです。でも、気がつけばきわきわのはじっこを歩いていた……。それは、あなたがはじっこがどこにあるのかを知らないからです。
たとえば、「彼氏にふられて涙が止まらない」は、わかりやすいはじっこですね。でも、「仕事がうまくいって最高の気分」というのも、実ははじっこなのです。
大成功に気を良くし、心ここにあらずで歩いていたら、階段から落っこちて肋骨を折ってしまったという友人がいました。昔から「好事魔多し」と言います。うまくいっているときほど気をつけなさいよ、今ははじっこを歩いている状態だよ、ということです。
日々の出来事は、私たちにはじっこを教えてくれるために起きています。「よく眠れない」も「やけ食いしてしまう」も、逆に「やる気満々」も「疲れ知らず」も、あなたがはじっこに来ているサインかもしれません。
「ああ、私は今、けっこうはじっこにいるな」とわかったら、今やっていることをいったんやめて、ちょっと離れてみるのも手です。ゆっくりのんびり軌道修正をしてから、また歩きはじめましょう。
誰でもガケから落ちるときはある
いかがでしょう。ずいぶんとえらそうなことを書きましたが、私もついこの間、またしてもガケに転がり落ちたばかりです。これでなかなかカッとなりやすいものですから、素早い判断をしたつもりが単なる思い込みということがあります。
しかも、それに気づかずぐいぐい突き進んで、結果、玉砕。周りに迷惑をかけたうえに、仕事の契約を一つダメにしてしまいました。落ち込みましたよ……。樹海から這い出て来るのに1週間くらいかかりました。
ようやく今は、少し高いところにいます。あたたかいそよ風に吹かれているような気分で、遠くまで続く道が、うっすらとですが見えるようになりました。あなたも、どうぞここにいらしてください。大丈夫、登り方はお伝えした通りです。