夫の両親にバレた「アルコール依存」 離婚を覚悟した妻を救った”姑の言葉”
離婚を覚悟!10年間断酒できたキッカケが姑のある言葉
Tさんは、アルコール依存症と診断され、夫の親にもバレてしまい、呼び出されます。離婚を覚悟したTさんは、夫のお母さんからこんな言葉を投げかけられます。
「離婚せずにもうちょっと頑張ってみたら?10のことをぜんぶがんばろうとするから壊れちゃうのよ。家のことなんか3できればいいのよ」
自分の母親から「ちゃんとしなさい」と言われ続け、「完璧でなきゃ」と思っていたTさんは、義母の「10のうち3できればいいのよ」という言葉に目から鱗が落ちました。この言葉で心が軽くなり10年間断酒に成功します。
「10年間の断酒に成功」ということは……そう、またTさんは飲み始めてしまうのです。
依存症専門病院の大石雅之院長はこう話します。
「重度のアルコール依存症になると、『一生飲まない』という選択肢しかなくなります。脳の回路が変わってしまい、どれだけ長い間断酒していても、少しでもアルコールを摂取するとまたやめられなくなり、依存症になってしまいます。
たとえば、日本人が10年海外で日本語を使わない生活をしても、日本語が話せなくなることはないでしょう。日本にもどればすぐに日本語をペラペラ話します。それと同じです」
結局Tさんは、子供のお金を盗んでまで飲むようになり、夫に追い出されます。一週間後、警察に補導され、入院。「いっそのこと死んでいたらよかったのに」と思ったそうです。でもTさんは病院で「今度こそお酒をやめよう」と決意します。
「入院し体が回復してきて、家族が見舞いに来てくれて、やっぱり元気になりたい、また子供たちと暮らしたい、と思ったんです」
Tさんは当時を振り返ってこうも話してくれました
「依存症は人生の優先順位を狂わせる病気なんです。本当は家族が大事なのに。飲むことが最優先になってしまいました。大事にしたいものを大事にできなくなってしまうんです
なので“依存から抜けて自立する”ということは“自分が心から大事だと思えることをちゃんと大事にできること”だと思います」
お酒をやめることで少しずつ大切な家族との関係も取り戻せていったというTさん。自分が本当に大事なことを大事にできるように、警察に補導されたときから1滴もお酒は飲んでないそうです。