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「発信力のない地味な人」こそ起業に向いている理由

田中祐一(会社員のための地味な起業プロデューサー)

2019年12月13日 公開 2022年02月15日 更新

 

「困っている人を助ける」ことがお金になる

では、いったいどうすればいいのか。
簡単です。困っている人を助ければいいのです。

皆さんの周りに、熱意のある起業家、あるいは起業に向けて準備している人はいませんか。まずは、そういう人たちをサポートしながら自分のスキルを磨いていけばいいのです。

周りに応援したい人がいなければ、見つければいいのです。お金に直結する「好きなこと」「得意なこと」を見つけ出すハードルに比べたら、はるかに簡単です。

最近、僕は後輩の1人から相談を受けました。彼は、ここ3〜4年起業ネタを探して試行錯誤してみたものの、まったく見つからなかったといいます。まるで過去の僕自身を見ているかのようです。そこでこういいました。

「起業ネタなんていらないよ。好きなことで稼ぐ? そんなヒマがあったら、誰か好きな人のサポートをしてみなよ。お金をもらいながら目の前の好きな人を応援しているうちに、いつかビジネスのネタが見つかるかもしれないし、そうなったら今まで培ったスキルが必ず役立つときが来るから」

大事なことなので何度でも繰り返します。

別にこれといった「やりたいこと」や「得意なこと」がなくても、お金を頂くことはできます。誰かを手伝うだけで起業はできます。発信力なんて、なくてもいいのです。

ソーシャルメディアで発信するのはよいと思いますが、無理してまで発信しなくても大丈夫です。

「想いを発信する」といわれても、その想いが見つからなくて困ってしまう人が大半なのですから。想いがないのは恥ずかしいことではなく、当たり前のことです。想いがなくても問題なし、です。

ソーシャルメディアで重要なのは、発信よりも「応援したい人とつながること」。それ以上でも以下でもありません。

必要最小限のつながりであっても、つながっている人を手伝うことでお金になれば、もう成功を収めているといえるのです。

 

考え方を変えれば、引く手あまたの人材になれる

僕の周りで地味な起業でお金を得ている人は、年齢も性別もバラバラ。人事部や経理部でキャリアを積んでこられた人もいますし、「総務一筋30年」みたいな人もいます。

「会社では誰でもできるようなサポートばかりしているから、特別なスキルなんてありません」

そういう一見すると起業とは無関係な人ほど、地味な起業の適性があります。実際に、これまでたくさんの起業塾に通っては挫折を繰り返してきた人が、人を応援するスタンスに切り替えた瞬間、急にお金を稼げるようになったケースをたくさん見ています。

というのも、「この人が好き!」「応援したい!」と思うような人の多くは、すでに特別なスキルを見つけることができた超すごい人。そういう人たちに限って、普通の会社員が普通にこなしているような事務作業がまったくできなかったりします。

たとえば、僕が初期にお手伝いしていたカウンセラーは、「ブログで
セミナーの参加者を募集したんだけど、今何人集まっているかわからない」というような人でした。

「えっ!? だって自分が募集したんでしょ?」とツッコミを入れたくなるくらいの事務スキルです。僕がExcelで参加者のリストを作り、入金の有無を確認しただけで、信じられないくらい感謝されました。

Excelでリストを作る、入金の確認をするというのは、特別なスキルでも何でもありません。むしろ、長年経理とか総務でコツコツと仕事をされてきた人は得意中の得意だと思います。

もし、20年、30年と総務や経理で働いてきて、「自分には何の取り柄もないし、将来的に仕事を続けられるかな」と不安に感じている人がいたら、ぜひ地味な起業にチャレンジしてみてください。

働くフィールドを一歩変えただけで、きっと引く手あまたの人材になれるはずです。

地味な起業の世界では、普通に「報告・連絡・相談」ができるだけでもかなりのアドバンテージです。何の取り柄もないことこそが、実は最強の取り柄なのです。

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