まずは調整を…外国人上司に一喝された「日本人管理職の悪癖」
2020年02月10日 公開 2022年07月12日 更新
ビジョン・目標の不在によって、迷いや不安を感じさせてしまってはダメ
全従業員を集める初めてのスピーチの準備に万全を期すために、実施日まで1ヶ月の準備期間を設けるのは、日本人としては一般的であるように思われます。何がいけなかったのでしょうか。
部長・課長・チームリーダーなどのリーダーがチームのビジョンや目標を、着任してすぐにチームメンバーに伝えない限り、そのチームは目指す方向を見失い、すぐに路頭に迷ってしまうからです。
外国人リーダーが「一刻も早いスピーチの実施」を重視したのは従業員に不安感を持たせないためです。
これはすべての部長・課長・チームリーダーが意識すべきことです。もしあなたが新しくリーダーに就任した時、リーダーがこのチームで何を達成したいのか何も語らないまま1カ月を過ごすことを想像してみてください。
日々の業務でどのような考え方・判断基準をもって業務を遂行すべきなのかチームメンバーはまったくわからず、業務遂行に困ることでしょう。
何か、新しいやり方を取り組んでみたい、新しい研究を開始したいなど、チャレンジ精神のあるチームメンバーであれば尚更、新しくチャレンジしてよいことなのかビジョンや目標などの判断基準となるものがないと判断がつかず困ることでしょう。
つまり、リーダーからビジョンや目標が何も語られないままだと、チームメンバーはどこに向かって日々仕事をすればよいのかわかりません。そのため、短期間で不満が出てきてしまいます。
目指している目標が見えないと場当たり的に仕事を行っている感覚に陥おちいってしまうためです。これを防ぐには、チームリーダーはチームメンバーに対して、一刻も早くビジョンや目標を語ることが重要なのです。
「過去の経験のすごさ」をアピールするのはダメリーダー
リーダーが着任時に自身の経歴紹介は日本人としては当たり前のように感じてしまいますが、何がいけなかったのでしょうか。
自身の経歴ではなく、「ビジョン・目標を語る」べき理由は、チームとして向かう方向を定め、日々の仕事をなんのためにやっているのか見失わないようにするためです。
目標がわからないチームでの仕事はチームメンバーにとって苦痛です。また、自分の業務において業務判断を求められた場合、よりどころとなるチームの方針がないと自身の裁量で迅速に判断することができません。
目標がわからないまま仕事をすることはチームメンバーの不満につながるため、リーダーはメンバーに対してビジョンや目標をすぐに語るべきなのです。
リーダーがどんなに素晴らしい経験と経歴を持っていようと、日々の業務をこなすメンバーにとっては、関係ありません。
リーダーの素晴らしい経験・経歴は、メンバーが仕事をする際の判断基準や不満解消にはならないため、ビジョンと目標を語ることを重視すべきなのです。