77歳で博士号を取得した男性…本人に直撃した「本当に意味があったのか?」
2020年03月03日 公開 2022年07月05日 更新
経営コンサルタントとして第一線で活動し続けるかたわら、2019年には77歳という超高齢で経営情報研究科の博士号(Ph.D.)を取得した吉岡憲章(よしおか・けんしょう)さん。自らの博士号取得の経験をベースに、シニア世代の大きな可能性を提言する新著『定年博士(ていねんはくし)』が2020年3月に刊行される。
なぜ、吉岡さんは定年を迎えるような年齢で博士号取得を志したのか。吉岡さんの体験から学べる、人口減・少子高齢化が避けられないこれからの日本社会で充実したセカンドライフを送るヒントとは。
本稿では、作家エージェントで自身も『花戦さ』などのヒット作品の著者でもある鬼塚忠さんが、人生100年時代における挑戦と学びの大切さについて明らかにする。
77歳からの大学院選びのポイント
(鬼塚)77歳にして博士号を取得された吉岡さんですが、具体的にどうやって大学院を選んだのか、どれくらいのお金がかかってどれほど人生を豊かにしたのかなどを聞きたいと思います。
吉岡さん、具体的にはまず、どうやって大学院を選んだのか聞かせていただけますか。
(吉岡)博士号を取得するためには、まず大学院に入学しなければなりません。
どの大学院を選ぶか悩みますよね。そこは、ヒューマンデザイン研究所の「MBAランキング比較一覧」が参考になります。国内のMBAランキングでは5つ星を取得した大学が2校あります。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科経営管理専攻と、早稲田大学大学院経営管理研究科ビジネススクールです。4つ星を取得した大学は、京都大学大学院、東京理科大学大学院など6校が続いています。
(鬼塚)吉岡さんはどういう基準でどこの大学院を選んだのですか?
(吉岡)私が選択ポイントとして考えていたのは、こうしたブランドではなく、経営実務家として最も重視すべき経営の実務に直結した論理的な研究ができることと、これまた非常に重要なことですが、多忙な毎日なので、仕事をしながら地理的に通える範囲にある大学であるということ、仕事をするのに支障のないカリキュラムを組んでいる大学ということの3つです。
はじめのうちは、私の母校である早稲田大学大学院にしようと思っていましたが、偶然にも、多摩大学大学院が自宅の近くにあることを知り、観に行きました。すると、そこに「超実学志向MBA」の看板が目に入りました。もしかすると、私が探していたのはこれかもしれないと思いました。
(鬼塚)そのキャッチコピーに納得し、多摩大学大学院を選んだのですか。
(吉岡)いや、それだけではないです。面接でこう聞きました。「看板には超実学志向とありますが、教授の方々は実際に企業経営をした経験があるのですか? それとも研究だけの先生ですか」。まるで逆面接ですね。
すると、「教授陣はすべて経営を経験しています」との答えでした。ますます思いは強くなりました。カリキュラムも平日は18時から、土日は終日組まれていました。多忙な私にも無理のない範囲です。
なので、皆様には、大学のブランドがほしい方には前述の大学ランキングが参考になりますが、研究目的が明確な場合には、それに合致した大学院を選択するのがよいと思います。