「コロナ後に激変」ヘッドハンティング会社会長が明かす、生き残るリーダーの”6つの条件”
2020年05月13日 公開 2022年07月04日 更新
コロナ後に生き残るリーダーの6つの条件
(妹尾)具体的にいうと、優秀とされるリーダーは6つのことに注力します。
1つめ。周囲と、過剰なほどコミュニケーションをとります。
人は進路や計画が分かると、すぐに安心できます。そのためのコミュニケーションを取りすぎることはありません。トップは毎日90秒間のビデオを流すなどして、メンバーの最新情報や計画を共有します。
チーム同士のつながりが最大の安心材料です。世界で特に目立っているのが、ニューヨーク州のクオモ知事ですよね。深刻な事態でありながら市民へのコミュニケーションを図り、辛うじてパニックのような状態にはなっていません。
2つめ。自信と謙虚さを兼ね備えた姿勢を保つことです。
リーダーもいま、部下と同じように、不確実性とあいまいさの中を生きていて、答えを見つけ出すことは容易ではない。この状況下では答えがないことは恥ではないと思うことです。
社員の懸念に真摯に耳を傾け、時には容易な解決策がないことの認識を共有すべきです。チームにも積極的に打開策を提案をさせたらいいと思います。
3つめ。厳しい決断を下すことを恐れてはいけないことです。
事業の縮小、撤退、人員の解雇等、長期的な事業継続のために非常に困難な決断を迫られることもあるでしょう。
思いやりの気持ちも持ちつつ、毅然とした対応が必要です。中途半端なメッセージによって混乱を招くようなことがあっては、傷口はさらに広がります。
4つめ。人材育成と励ましを忘れないことです。
危機の時、問題が困難であればあるほど、リーダーは目の前のことに注意を惹かれてしまうのは十分理解できますが、それでも、ハイ・パフォーマーに対する励ましや褒めの言葉を怠ってはいけないのです。
部下はどんな時でもリーダーの反応を注視しています。問題解決にはチームの士気を高めることがとても重要です。また、どんな危機の時であっても、人材の育成を後回しにしてもいけません。景気が回復に向かった時一番必要となるのが優秀な人材だからです。
5つめ。自分自身のことを配慮することです。
組織のために持続的に貢献するには、まず自分に対する配慮が必要です。何か月にもわたるプレッシャーに持ちこたえるためには、睡眠、運動、食事、家族との時間を大切にしなければならない。
リーダーの仕事は、指示を与えるだけではありません。皆のモチベーションを高く保つことはもっと重要です。リーダーである自分が疲れ切っていては、部下の士気を高めることなどできません。よくいる、会社で夜遅くまで働いて、何日も徹夜をし、食事はカップラーメン。
そんな自分を誇るようなリーダーがいます。言語道断です。仕事はチームでするもので、皆の士気を高め、全体でパフォーマンスを上げることを考えなくてはいけません。また、リーダーは結果に責任を持つべきで、中途離脱は禁物です。そのためにもリーダーは自身にも配慮が必要です。
6つめ。コロナ後の世界に備えることです。
コロナ後に顧客やマーケットにはどういう変化がみられるだろうか、新しいワーク・スタイルとはどのようなものだろうか、こうしたことを熟慮する時間を持つことが大切です。
そういったことを考えなくてはいけないので、やることがないなどといっている余裕はないはずです。今は、バーチャル環境での仕事の仕方や、スピードを重視したプロトタイピングなど、いかに機敏にワークするかを学ぶ貴重な機会です。