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ムーギー・キムが明かす「世界トップエリートのコミュ力はココが違う」

ムーギー・キム&池原真佐子(MANABICIA代表)

2020年08月28日 公開

世界的VIPが絶賛した「コミュ力」の秘訣を”グローバル・エリート”ことムーギーキム氏が初めて明かした新著『世界トップエリートのコミュ力の基本 ビジネスコミニュケーション能力を劇的に高める33の教訓』(PHP研究所)。

ムーギー氏と、プロコーチのMANABICIA代表で、現在は社外メンター事業を行っている池原真佐子氏との対談をお届けする。(構成・文:田村知子)

 

大人の成長過程は面白い

【ムーギー】本日は、MANABICIA代表の池原真佐子さんをお迎えして、「コーチングの基本10か条」を伺っていきます。まず、真佐子さんの自己紹介とあわせて、コーチングに出合われたいきさつからお話しいただけますか。

【池原】私は大学、大学院で成人教育を専攻していました。大人はどのような場面で変化し、成長し、スキルアップしていくのかといったことに興味があったんですね。

コーチングに出合ったのは、社会人3年目でキャリアについてモヤモヤと迷っていた時期です。そこで初めて、自分自身のキャリアをどうしていくかを考えた時に、コーチングという手法があることを知り、学び始めました。

【ムーギー】コーチングのどんな点に関心を持たれたのでしょうか。

【池原】自分の潜在能力を引き出して、より望む未来に連れていってくれる手法、というところでしょうか。コーチングを学んだことで、さらに人の成長への関心が高まり、人材開発の仕事に関わるようになりました。

その後、シンガポールにあるビジネススクール・INSEADの修士過程で専門的にコーチングを学び、コーチとして活動していた頃がありました。

現在は自分の会社MANABICIAで「Mentor For」という、女性リーダー育成に特化した「社外メンター」育成・マッチング事業を行っています。(メンタリングは、コーチング技法に加え、積極的なアドバイスや知見のシェアを行っていくという点でコーチングとは異なっています。)

ただ、今日はコーチングについてということですので、その辺りを中心に私の経験からお話をしたいと思っています。

 

生産性が高い組織の共通点は信頼関係

【ムーギー】読者の中にも、キャリアについて迷っている人がいると思いますが、真佐子さんは社会人3年目の当時、どんなことに悩んでいたんですか。

【池原】入社3年目で、会社にも、仕事にも、一通り慣れてきた時期でした。でも、このまま一生、ここにいるのだろうか。転職するにしても、何をしたらいいのか。そもそも、自分に何ができるだろうか。そんな、自信喪失とキャリアへの迷いが同時にやってきたようなモヤモヤでした。

【ムーギー】自分が何をやりたいか、5年後に何をしているかを、わかっている人はほとんどいないですよね。ですから、今回の対談によって、それに気づく手助けができればいいと思います。コーチングの基本10か条をうかがっていく前に、今日、真佐子さんが最も伝えたいこと、重要なポイントをズバリ教えてください。

【池原】一番大事なポイントは、安心・安全な場を作る「信頼関係」です。コーチングのすべての土台はコミュニケーションの土台でもあるのですが、信頼関係があるかどうかは、ビジネスの生産性においても非常に大きな差が出るところです。リーダーがコーチングのスキルを学ぶことで、信頼関係のある組織を作り、その結果、生産性を高めることにもつながっていきます。

【ムーギー】生産性の高い組織の共通点は「信頼感」だという調査結果を目にしたことがありますね。では、その重要な「信頼関係」を踏まえた上で、コーチングの基本10か条についてうかがっていきましょう。

まず、記事前編では5か条を、後編では残りの5か条を解説していただければと思います。ではまず、コーチングの基本のキとして、いの一番にすべきことはなんですか?

【池原】「相手の話を聞く」ことですね。私たちは職場にいる間、8〜9割は心がさまよっているというデータがあります。つまり、ほかのことを考えながら、人の話を聞いているということですね。

【ムーギー】確かに、上の空で聞いてしまうことはありますね。私の近著『世界トップエリートのコミュ力の基本』でも、名インタビュアーであるラリー・キングの言葉「ビル・クリントンに感心するのは、会話の間は、彼にとってその相手が最も重要な人物だと思わせるほどに誠実に向き合い、敬意を払いながら話すことだ」を紹介しています。相手の話をしっかり聞くことが信頼感の醸成につながるのですね。

【池原】コーチングでは、相手が言ったフレーズを繰り返したり、相手の動作を真似たりといった聞き方の練習もします。でも、一番重要なのは、そうした小手先のテクニックではなく、相手に向き合って、集中しているという姿勢です。

【ムーギー】「聞く」ということの真髄はなんでしょう?

【池原】端的に言うと、「今、ここ」に意識を集中させるということです。目の前の相手の表情や、話している内容だけに意識を向ける。今、マインドフルネスが流行していますけど、まさに「今、ここ」に意識を置くトレーニングは、ビジネスパーソンにとって何より重要なことだと思います。

マインドフルネスのトレーニングには少し時間がかかりますけど、職場ですぐに実践できるコツとしては、相手に自分の膝を向けて話を聞く。仕事中に話しかけられたら、一旦手を止めてから話を聞く。

これだけでも、相手は「聞いてくれているな」と感じますし、自分自身も聞くモードに入るので、必然的に集中できるようになります。

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部下を伸ばす上司は「待つ」ことを知っている

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