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“Amazon産” 牛乳、苺、メロンの誕生!?…EC最大手が今度は「農業」に進出する可能性

山本康正(ベンチャーキャピタリスト)

2020年12月07日 公開 2020年12月10日 更新

 

ドライバーがあなたの家の冷蔵庫まで荷物を届ける

農業だけでなく、物流業界でもアマゾンが抜きんでていくでしょう。アマゾンのビジョンは顧客ファーストです。ベゾス氏にとって、そもそも業種の壁など、まったく気にしていません。実際、すでにアマゾンは、さまざまなサービスを提供しています。

アマゾンはもともと物流に関しては、同事業を専門に行っている FedEx (フェデックス)などに依頼していました。フェデックスは世界中を股にかけ、大型の自社専用ジェット機を飛ばすような、世界最大手の物流企業です。

ところが特にアメリカにおける運送業者のサービスは、質がよくありません。荷物を放り投げて扱ったり、定刻どおりに届かないなど、アマゾンが掲げる顧客ファーストにはほど遠いものだからです。そこでアマゾンは、だったら自分たちで行おうと。その方が、荷物が早く正確に届くだろうと。

こうして私たちが利用しているネットで注文したら翌日に届く、アマゾンプライムなどのサービスを拡充していきます。

フェデックスと同じく、アマゾン専用のジェット機(アマゾ ンエア)を配備。また、アメリカではこのジェット機に加え、「アマゾンプライムエア」というサービスでラストワンマイルの配達には、ドローンも実験。配達網を自社で整備し、顧客ファーストを掲げた物流サービスを提供しています。

アマゾンのすごいところは、ジェット機やドローンを配備しただけで終わらないところです。 さらにより良いサービスの質向上を目指し、現在は配達員が届け先の住宅のデジタル鍵を持つ 実験的なサービスも始めています。

宅配ボックスの一歩先をいったサービスです。宅配ボックスの鍵を預けておくのであれば、自宅の鍵でもいいだろう。ましてや冷蔵・冷 凍が必要な商品であれば、それこそ配達員が家の中に入り、冷蔵庫にしまっておいた方が 顧客は喜ぶだろう。

アマゾンで何かを注文すれば、ここまで親切丁寧な物流サービスが受けられるかもしれないのです。

グーグルはアマゾンの物流業界でのサービスの質向上に危機感を抱いていて、グーグルショッピングと配送サービスのグーグルエクスプレスを一部統合してサービスでの質向上 を目指していますが、そもそもウォルマートなど他の小売事業者の品を配達する内容です から、一気通貫で小売りから配送・配達まで手がけているアマゾンにはなかなか苦戦して います。

実際に利用してみても、アマゾンの便利さは圧倒的に感じます。

次第に、消費者はアマゾンだけを利用するようになりつつあります。フェデックスは今でこそeコマースが盛り上がっている恩恵で好調ですが、競争優位性を維持できるかはわかりません。その結果、アマゾンが物流業界の中心に君臨すると私は見ています。

 

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