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批判ばかりの「前例おじさん」が会議を長引かせる…ベテラン社員が注意すべき“態度”

越川慎司(クロスリバー代表取締役社長)

2020年12月19日 公開 2022年07月12日 更新

 

40代以上の男性は「口角」を上げる

会議で心理的安全性(発言しても安全であるという心理状態)を担保するためには、外見も重要です。私はもうすぐ50歳のおじさんですが、素の表情が怒っているように見られることがあります。

気がつくと、眉間にシワが寄っているのです。自分では無表情のつもりですが、周囲には機嫌が悪いように見えてしまうようです。

40代を越えた男性は、私と同じ経験をしたことがある方も多いと思います。私も含めて40代以上の男性は、ふとした素の顔が怒っているように思われてしまうのです。

ブレストを行う参加者の中に仏頂面の人がいたら、どう思いますか? あの人は怒っているのではないか、何か気に障る発言をしたのではないかと気にする参加者もいるでしょう。

そのような空気の中では、「何でもよいからアイデアを出す」ということはできにくくなります。

 

「口角アップ」で会議時間が8%減

とはいえ、意識的に笑おうとすると作り笑顔になり不気味です。そこで、口角をちょっと上げてもらいたいのです。無理して笑わなくてよいので、口の両脇を少し持ち上げてみてください。

怒っていないのに怒っているという誤解を解くための、ちょっとした努力です。

2019年7~9月、とあるメディア企業が「40代以上の男性は口角を上げてくださいキャンペーン」を行いました。表情トランスフォーメーションとして口角アップを強制し、ポスターや社内ポータルサイトで周知したのです。すると、2ヶ月の会議時間が8%減ったのです。

口角アップにより心理的安全性が担保されれば、気兼ねなくアイデアを出せるようになります。アイデアがたくさん出ればそれをもとに意思決定ができ、結果、迅速な行動につながります。

キャンペーンを行なったメディア企業では、会議の空気がよくなり、ファシリテーションが前向きに進み、時間通りに会議が終わることが多くなったそうです。おじさんの笑顔は、会議時間を短くする効果があるようです。

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新規ビジネスの9割は「会議室の外」で生まれた

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