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生き方

「長岡藩の米百俵」の精神に隠された"今の日本が失ったモノ"

大久保秀夫(株式会社フォーバル会長)

2021年08月30日 公開 2021年08月30日 更新

 

「人としてどうあるべきか」を、子どもたちにまず教えたい

私が教育を論じる前に、皆さんと一緒に考えたいのは、人は何のために生まれてくるのか、ということです。

私は、自分の存在を精一杯、社会のために生かしていくために人は生まれてくるのだと思います。つまり、自分という人間が存在することによって人を幸せにし、その中で自分が喜びを感じて生きることが大切だと思うのです。

私は、子どもたちが、自分だけが幸せになるために、他人をおとしめたり、利用したりするような生き方をする人間にはなってほしくありません。

だからこそ、お互いがお互いを幸せにするために生きることで、お互いに喜びを感じ合う人生を送れるような教育を行うことが必要ではないでしょうか。だとすれば、人としてどうあるべきか、つまり人間としての「在り方」を教えることこそが、教育の本質だと私は思うのです。

ところが残念なことに、自分がなぜ生き、働くのかということが日本の教育現場で教えられることは、それほど多くありません。

これこそ、日本の教育から抜け落ちている最も大きなものであり、親も教育者も、企業で人づくりを行っている経営者も、「自分の行動が世のため人のためになっているのか」ということを、子どもたちが小さな頃から気づかせ、意識させることが大事だと思うのです。

加えていえば、「自分の存在を精一杯、社会のために生かしたい」とか「自分という人間が存在することによって人を幸せにしたい」、「世のため人のために行動したい」という思いは、志につながります。こうした志の大切さや意義を教えていくことも、今の教育にとって非常に重要であると、私は思うのです。

 

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