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マインドフルネスで願いを叶え、全て失った人に学ぶ「納得のいく人生の歩み方」

大賀康史(フライヤーCEO)

2021年12月13日 公開 2022年03月04日 更新

ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。
こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。

今回、紹介するのは『人生の扉を開く最強のマジック』(ジェームズ・ドゥティ著、プレジデント社)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。

 

本当に欲しいものを見つけることのむずかしさ

あなたが今欲しいものは何でしょうか。

こう問いかけられれば、たくさん出てくるでしょう。学生は、友人、成績、恋人、共通の趣味を持つ仲間、整ったルックス、など。社会人は、ステータス、名誉、家、お金、家族というわかりやすいものから、愛、やりがいのある仕事、目標、人生の意味などのとらえにくいものもあるはずです。

では、あなたが本当に欲しいものは何でしょうか。

そう聞かれると、すぐに答えが浮かびそうもありません。欲しいものとして挙げたのは「本当に」欲しいものなのだろうかと、思考が止まってしまいそうです。

人は自分自身の願いすらも、正確に把握できていないのかもしれません。自分に照らして考えると、何か一つではなさそうです。人には様々な願望があります。それを抑制することが正しいのかもしれませんし、素直に表現した方がいいのかもしれません。答えは人それぞれ。何を答えかは自分次第であることが明らかです。

人生を終える瞬間から逆算して、その時の幸福を最大にするのが良いのでしょうか。それとも今この瞬間を切り取って幸福を最大にするのが良いのでしょうか。このシンプルな質問でさえも、絶対的な答えはなく、自分自身を理解しなければ答えられません。

本書は実際に著者が体験したことが描かれているので、訴えかけるメッセージが強力です。また、マインドフルネスへの取り組みによる著者の変化が興味深く、読む人を引き込みます。その内容に触れながら思考を深めていきたいと思います。

 

物語の主人公のような人生

本書の主人公はジム。つまり著者本人です。父親がアルコール中毒者、母親が病気がちな貧しい家に育ちます。まだ幼かったある日、ジムはマジックに興味を持ち、手品用品専門店に行き、ルースという女性に出会いました。ルースから本物のマジックと言われて教えられたのが、マインドフルネスに取り組むことと、願い事をかなえるための強い自己暗示でした。

心を開いてから、本当にほしいものを10個紙に書くことを伝えられます。ジムはすぐにほしいと感じたものを書き綴りました。

「アパートを追い出されない、クリス(近所の美少女)とデートする、大学に行く、医者になる、100万ドル、ロレックス、ポルシェ、豪邸、島、成功」

それを伝えるとルースはひと言、「ふーん」とリアクションをしました。そして、リストを作る前に心を開いたかを確認しました。ジムはほしいものに目がとらわれて、心を開くことを怠ったことをルースに伝えられませんでした。

その後、ジムは様々な困難を乗り越えて、大学に行き、メディカルスクールに通い、脳神経外科になりました。会社経営にも携わり、気づけば10個掲げた願いは叶い、資産が7500万ドルを超えたとき、リーマンショックで財産のすべてを失います。

その時までには多くの脳神経外科医と同様に、いい夫という役割をできず離婚をして独身になっていました。すべてを失って、自分を見つめなおした著者は、ルースの教えを思い出し、本当に自分がすべきことを見出しました。ハリケーン・カトリーナで大被害にあったミシシッピに留まり、地域の中核的医療センターを築くということです。

数年でそのビジョンを実現した後、スタンフォード大学に戻り、ジムは共感と利他主義と思いやりがどのように脳と体に影響を与えるかを研究しました。そして、その研究の支援を仰ぐために、チベットの法王であるダライ・ラマ氏と会い、多額の寄付を受けたのです。

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道しるべとなった「マインドフルネス」

著者紹介

フライヤー(flier)

ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。(https://www.flierinc.com/)

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