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わからないことの面白さ...『変な家』の作者・雨穴氏が語る「恐怖の本質」

雨穴(うけつ)

2022年03月17日 公開 2022年07月27日 更新

 

「道端にでっかい魚が落ちていたら、怖いしちょっと面白い」

――ライターとして得意ジャンルの「オカルト」「ホラー」に「不動産」を組み合わせたのは、どこから発想したのでしょうか?

【雨穴】外を歩いているときに、ふと民家が目に留まり、「なんでこの家のこの部分はこんな形をしているんだろう」と不思議に思うことがあります。

私の家の近所には、二階の一部分が一か所だけ出っ張っている家があり、そこを通るたびに「変な形だな」と思っていました。

当然、なにかしら事情や都合があるのでしょうが、それは住人しか知らず、部外者は想像するしかありません。

そういうところにホラー的な要素があるのではないかと考えたのがきっかけです。

――雨穴さんの思う「面白さ」「恐怖」とはどんなものでしょうか?

【雨穴】どちらも共通するのは、わからなさ、だと思います。

たとえば道端にでっかい魚が落ちていたら、怖いしちょっと面白い気がしますが、「実はその数分前に魚屋のトラックが通って、車輪が空き缶に乗り上げた衝撃で転がり落ちた」という情報を知ってしまったら、最初に魚を見つけたときの非日常感やわくわく感は薄れてしまいます。

なので、わからない状態を維持し続けること、わからなさを味わい尽くすことが面白さ、恐怖の本質なのではないかと思います。

 

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