「考えグセ」がやめられない...疲れた心を整える3つのヒント
息苦しい世の中で、不安や苛立ちを覚える人は多いはず。時にはマイナス思考にはまって抜け出せなくなることも...どうしたら日々を楽しく過ごせるのでしょうか。看護師であり、僧侶でもある玉置妙憂さんに、そのヒントをご紹介いただきました。
「生き方」について考える月刊誌『PHP』は、おかげさまで2022年4月に75周年(通算888号)を迎えました。本誌は、1947年に松下幸之助が創刊。PHPとは"Peace and Happiness through Prosperity"の頭文字で、「繁栄によって平和と幸福を」という、松下幸之助の願いが込められています。
※本稿は月刊『PHP』(2021年3月号)より抜粋・編集したものです。
「身口意」がそろうと人生がうまくいく?
いつまでも落ち着かない世の中です。テレビをつければ、不安になるようなニュースばかり。人の心もなんとなくカリカリ、トゲトゲしているように感じます。
出口の見えないトンネルの中を走り続けるのがこんなに辛いとは......出るのはため息ばかりです。みなさまは、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
でも、世の中がどんな状況であろうと、私たちに与えられた時間に変わりはありません。止めることも、巻き戻すこともできない命の時計は、刻々と時を刻みつづけます。
焦って、あわてて、ため息をついて過ごしても一日。のんびり、ゆっくり、笑顔で過ごしても一日です。だったら、少しでもらくに過ごしたほうが、得なような気がします。
とはいえ、どうしたらそうできるのでしょう。「らくに過ごしたいのは山々だけど、そうはうまくいかない」というあなた。「身口意」(しんくい)をそろえるとうまくいくそうですよ 。
「身」は、からだを動かすこと、行動。「口」は、言うこと、言葉。「意」は、考え方、思っていること、意識。
この「身口意」の三つがそろっていれば、ものごとは自分の望む方向に、するすると向かうのだそうです。うまくいかないときって、この「身口意」がバラバラなのです。
たとえば、「痩せたいと言いながら(口)、心の中ではダイエットは辛いからいやだと思い(意)、結局好きなものを食べたいだけ食べて運動もしない(身)」というように。
これを「痩せると宣言して(口)、本気でそうなりたいと思って痩せた姿をしっかりイメージし(意)、食事の見直しや運動をする(身)」といったように「身口意」を合わせると、自然と自分が望むようにいくものです。
だから、まずは「身口意」をそろえることを意識してみようではありませんか。焦らず、あわてず、日々楽しくゆっくり過ごすために、それぞれの具体策をご提案いたしましょう。
1.【身】考えを止める"魔法の動作"を作ろう
私たちには「グルグル考える」クセがあります。しかも、グルグル思考とつながってしまうのは、たいてい心配や不安、恐怖といったあまりうれしくない考えです。
考えたくない、考えないでおこうと思っても、気がつくとそのグルグルの中に入り込んでいる......このグルグル思考を止めるには、からだを動かすことが一番です。
私たちの脳は、一度にひとつのことしかできないそうです。だから、からだを動かすと、考えが止まるというわけです。
「ああ、また考えちゃっている」と気づいたら、からだを動かしましょう。どんな動かし方でもいいのですが、なにか自分なりの決まった動きがあると、よりいいですね。たとえば、手を2回叩く、深呼吸する、などです。
いつも決まった動作をすることで、脳とからだに「この動きをすると、気分が落ち着いて晴れ晴れする」と覚えこませるのです。
野球のイチロー選手やラグビーの五郎丸歩選手が、集中するために決まった動作をすることが話題になりましたよね。あれと同じ効果です。
自分なりの魔法の動作をつくって、グルグル思考を撃退!3か月繰り返せば、「こうすれば気分爽快!」とからだが覚えてくれます。