昭和60年代築のボロ物件でも利益が出せる理由
たとえば、私が約2億5500万円で買った2件目の物件、横浜市鶴見区の工業地帯にあるRC造の一棟マンションは昭和62(1987)年築です。当時、2015年ごろは「キャッシュフローのバランスは平成1桁築がちょうどいい」と言われていました。
なので、その一世代前の昭和60年代築の物件はそれほど競争が激しくなく、値段もそれなりに下がっていました。表面利回りは8.8%と合格点。問題は融資期間です。築30年ほどだから目安は17年。私の融資先の銀行は、それにプラス5年も上乗せしてくれました。そこで「お買い得」と判断して投資を決めたのです。
計算どおり、いまも順調なキャッシュフローが成り立っています。もちろん建物は相当ぼろい。外壁修繕などのお金が結構かかっています。それでも手残り額が減らないのは、じつは約8割の部屋が法人契約で一括して賃貸されているから。大手メーカーの新入社員寮になっていて、そのおかげでずっと満室状態が続いているのです。
いま売っても、残債がなくなってちゃんと黒字になるというところまできています。現状なら表面利回り10%とうたえるので買い手には困らないでしょう。ただ、この鶴見の物件に関しては懇意にしているコンサルタントから「朽ち果てるまで持って、マンションの分譲用地としてディベロッパーに売るのがいいですよ」というアドバイスを受けています。
「不動産実務検定」のマスターを受験した理由
不動産投資の基礎知識的な勉強は大事だと思います。でも結局は「実行あるのみ」なのです。
じつは、この実行面においてこそ、講座などに通うメリットがあります。基礎知識を学んで、自分なりに物件選びの基準をつくることはそんなに難しくありません。入門書を1冊読めば十分かもしれない。
ただ、講座などに通うとプロフェッショナルなコンサルタントと知り合うことができます。購入や賃貸経営にかかわることなら、そのプロに何でも相談すれば、自分の味方になってきちんとケアしてくれます。これが非常に大きい。
私は塾に入会金を20万円も払いましたが、基礎知識を体系的に学び、メンターと出会い、仲間もできたので、それを遥かに超える値打ちがあったと実感しています。代表の方とも付き合いが続いていて、後輩を紹介したりもしています。
不動産実務検定にしてもそうです。塾の講師たちはマスターまで取っていたので、私も受験しようと思いました。
「不動産の知識も身につくし、取ったらコミュニティーに入会できる。そこには全国の名だたるメガ大家が集まっているから、人脈ができるよ」とすすめられたのも大きな理由です。それで半年ほどで2級、1級、マスターと一気に受験して合格しました。
別にマスターまで取る必要はなかったのですが、私は性格上、不動産を買って経営するうえで少しでも参考になることなら、全部知っておかないと気が済まなかった。なので、必要以上に勉強しただけの話です。