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「長生きが不安」なのは贅沢な悩み? 100年間の人生設計

大賀康史(フライヤーCEO)

2022年08月23日 公開 2022年11月07日 更新

 

中年期以降も学びが大切

30代から50代の中年期は、仕事と育児と介護に忙殺され、幸福度が下がる時期だとも言われています。

そのような「中年の危機」という言葉が使われるようになったのは、心理学者のエリオット・ジャックがはじめて言及した1965年以降です。寿命が伸びてきてやっと認識されるようになった危機とも言えます。

本書には中年期のキャリアの可能性を示すデータとして、スタートアップ企業の創業者の年齢別の比較が紹介されています。

一般的に若い創業者のスタートアップが急成長をしていると誤解されがちですが、実際は30代から50代の創業者の方が高成長のスタートアップを率いている確率が高いのだそうです。長くなった人生の中盤から後半で、新しいチャレンジをすることを後押しする統計です。

長期にわたるキャリアを歩むためには、誰もが何らかの方法で学び続ける必要があります。現代の変化の中では常に新しい環境が広がっていて、誰もが初心者です。年下からも新しい環境そのものからも真摯に学ぶ姿勢が求められそうです。

 

人間関係はどう変わる?

人生が長くなり、結婚の年齢や結婚の意味も徐々に変化しています。最も結婚が遅いと言われているスウェーデンでは、結婚年齢の中央値は男性が37歳、女性が34歳です。

そして、結婚後の人生も長くなっているので、パートナーとの関係も多様になっていきます。著者は伝統的な結婚のあり方が崩れた後でも、ゆるぎない絆で結ばれた関係を築きたい、という人々の思いは強まるだろうと考えています。

お互いの選択肢が広がる中では、パートナー間の対話と交渉がこれまで以上に必要になります。

世代の境目もなくなっていきます。日本で働いていると若年層が学んでいて、中高年層は学んでいないと思いがちです。

しかし、グローバルで行った診断テストでは、スキルを磨くこと、仕事に対して前向きな気持ちがあること、健康を保とうとしていることのいずれでも、年代による違いがなかったそうです。

日本は対GDP比で世界的にも突出して人材投資が少ないと言われていますが、今後はより人材育成への投資が行われていくでしょう。

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“逃げ切り”が難しい時代の生き方

著者紹介

フライヤー(flier)

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