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「会議をスムーズに仕切れる人」が実践している思考法

佐々木裕子(株式会社チェンジウェーブ代表)

2022年09月02日 公開

「長時間働いているが、ムダな時間が多い気がする…」「話がまとまらず、何を決める会議だったのかすらわからなくなる打ち合わせが多い」など、組織やチームの一員として働くからこその悩みに頭を抱えている人も少なくないはず。そもそもなぜ、会社の中には様々な「ムダ」が潜んでいるのでしょうか?

株式会社チェンジウェ―ブ代表の佐々木裕子氏は、そんなムダな会議に対し「目的が決まっていない、共有されていないことが要因。クリティカルシンキングができる人は、そのへんが上手なんです」と指摘します。

※本稿は、佐々木裕子著『実践型クリティカルシンキング 特装版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。同書は、2014年3月29日に行われた実際の授業をもとに編集しています。

 

目的の不明確さは周囲を混乱させる

さて、みなさんの会社ではこんなことはありませんか?

・長時間働いているが、ムダが多く、時間がかかりすぎている気がする
・どこからどう手をつけていいかわからない
・企画を提案しても、うまく周りを説得できない
・会議で議論をうまくまとめられない

どうでしょう?

──会議がまとまらず、1時間くらいしてから「そもそも何を決める会議だったんだっけ?」と、我に返るということがたまにあります。スタートのところをちゃんと決めずに、毎週水曜の朝は会議をするというのが先にありきで……。

なるほど、ほかの方。

──会議でイライラすることはよくあります。誰が何を決めるのか決まっていない会議が多くて、情報を共有するだけの時間になっています。

なるほど、どうしてそんなことが起きるんだと思いますか?

──目的がわかっていない。決められない。

──会議がマンネリ化して、思考がストップして、途中で目的が変わってしまったり、スタックしてしまう。

──会議のリーダーの準備不足。参加者の前提条件が異なるのに、合わせられていない。

みなさんの発言に共通していたテーマは、会議の目的が決まっていない、共有されていないということですね。

ブレない「目指すべきもの」を定義して共有する。クリティカルシンカー(クリティカルシンキングができる人)は、そのへんが上手なんですね。私の周りにもいますが、クリティカルシンカー、みなさんの周りにもいますか?

そういう人はほかの人と何がちがうのでしょう?

──落としどころを決めていることだと思います。だいたい会議の前に誰が何を考えているか事前にランチなどで情報収集をしたり、意見をある程度聞いておいたりしています。事前にこういう落としどころにすれば、自分の意見が通るなというところを決めているようです。

──小さいことですが、上司の了解をもらうときに「どうでしょう?」と丸投げするのではなく、「○○したいのですが、いいですか?」とイエスかノーかで答えられるような質問をします。

なるほど、みなさんが思うクリティカルシンカーとは、目指すものを定義するときに、どうすれば周囲の人が動いてくれるかも事前に考えている人ということかもしれませんね。

 

クリティカルシンキング3つのステップ

まずは、クリティカルシンキングとはどういう思考プロセスを踏むことなのか、見ていきましょう。

【STEP1】目指すものを定義する
どんなことがしたいのか? どういう状況を実現したいのか? それはなぜか? 目指すべきものを具体的かつ明確に決める。ここで大事なことは、その目指すレベルと期限が決まっていることです。

・いつまでに
・どのくらいのレベルのことを
・何のために目指すのか、
シンプルかつ具体的に決めます。理由についても明確に説明ができるようにしてください。

【STEP2】何が問題なのかクリアにする
いま、どういう状態なのか? 目指すものとどのくらいのレベルの差があるのか? どんな課題があるのか? を本質的に理解する。そのためには、

・自分の現状を客観的に分析し、
・「目指すもの」とのギャップを認識し、
・そのギャップが生じている原因(=課題)を本質的に説明ができること
が、必要です。

【STEP3】打ち手を考える
STEP2までのことを踏まえて、ギャップを埋めるためにどうすればよいか、という具体的なアクションに落とし込みます。ここでも、

・具体的なアクションをあげられること
・なぜそのアクションなのかをクリアに説明できること
が、重要になってきます。

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クリティカルシンカーに必要な「3つの条件」

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