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フェイスブックに上司の悪口に書き込む「法律的リスク」

浅見隆行(弁護士)

2012年05月01日 公開 2022年12月27日 更新

会社員の仕事環境は、どんどん変化している。いままでしたことのない新しい業務も増えている。それに伴って、法的なトラブルの潜在的リスクも高まっている。そこで、法律のプロの方々に、会社生活を送るうえで押さえておくべき法律知識を解説していただいた。“転ばぬ先の杖”として、ぜひ知っておいていただきたい。

※本稿は『THE21』2012年5月号 特集「ビジネス法律入門」より抜粋・再編集したものです。

 

「ネット上の情報は誰もが読める」が前提

ツイッターやフェイスブックなどのSNSに上司の悪口を書いた場合、名誉毀損、または侮辱として、法的な責任を問われる可能性があります。

名誉毀損というのは、人の社会的信用、あるいは社会的な評価を低下させる発言をすることです。「あの人は不倫をしている」や「会社のお金を着服している」などの発言は、それが真実かウソかにかかわらず、名誉毀損に当たります。

一方、侮辱は、名誉感情に対する侵害です。「バカ」や「アホ」など、具体的な事実を述べるのではない悪口の類です。社会的信用の低下といった客観的被害と関係なく、本人が感情を傷つけられたと感じれば侮辱になります。

もちろん、名誉毀損や侮辱に当たるケースでも、実際に裁判所が損害賠償を認めるかどうかはケースバイケースで、かなり難しい問題です。しかし、ネット上で悪口をいうことには、基本的に、こうしたリスクがつきまとうものだと考えてください。

 では、SNSを利用するうえで、名誉毀損などのリスクを避けるためにはどうしたらいいのか。よくいわれることですが、「自社についてのマイナス情報は書かない」「取引先についてはいっさい触れない」というのが安全でしょう。どうしても仕事の愚痴を書きたいなら、公開範囲を友人だけにするべきです。

 インターネットは愚痴をいうツールではありません。「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶための穴でもないのです。ネットに書き込んだことは誰もが読むもの、というのが前提です。

 たとえハンドルネームを使っていても、書き込みの内容などから発言者が特定されてしまうことは少なくありません。それを考えれば、自ずと、書いていいこととまずいことは判断できると思います。

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第三者がいる場所では社内のことを話さない

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