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仕事

休日の午前中に3つ行動する...「目標を達成する人・しない人」の習慣の違い

清水克彦(政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師)

2022年12月28日 公開

 

就寝前の5分で翌日のシナリオを描け

ここまで、日々の生活の中で、すぐ動けるようになるためのコツを述べてきた。これらは、突き詰めて言えば、「夢を持つこと」「目標を設定すること」がスタートラインになる。

「どこへいきたいかわからない者が、すぐやる人になれるわけがない」

これは、私の持論であり、私自身、「本を出す」「大学で教える機会を持つ」、そして、「勤務している放送局だけでなく他局からも認められるようになる」といった夢や目標を設定して生きてきたからこそ、そのための時間を確保するために、職場ではダラダラ仕事を止め、即決、即行動を基本にするようになり、オフの時間も、自分の頭の中に、「今日はこれとこれをする」という時間割を設けて、キビキビと動く人間になれたのだ。

言い換えれば、スキルアップであれダイエットであれ、1秒でも速く動く人になるには、今の自分ではなく、未来の自分に深い興味を持ち、第一歩を踏み出してみることがもっとも近道になるということである。

そういうなか、私が、日常生活をテーマにした本章の最後に強くおすすめしたいのが、就寝前の5分間で、翌日のシナリオを思い描いておくということだ。

これだけで、頭の中に、翌日の仕事の流れや仕事を終えた後の予定が刻み込まれるので、何もしないまま寝るよりも、朝起きてからの動きがスムーズになる。

○翌日のシナリオ想定例
・午前=「課の全員を集めた定例会議が十時からあるから、それまでにレジュメの作成とコピー、午後から出向く得意先に電話だけは入れておこう」
・午後=「得意先では『相手にとってのメリットをいかに強調するか』がポイントだな。一緒に行く同僚とは摺り合わせをしておかないと」
・夕方=「宴席好きの課長に誘われたら、迷わずに『実は先約がありまして』と断ろう。そうしないと強引に誘われてしまう」
・夜間=「子どもも楽しみにしているし、サッカーの日韓戦だけはテレビで見よう。それが済んだら三十分だけでも宅地建物取引主任者の資格取得に向け勉強しよう」

おおむね、こんな感じでいい。おおまかにでも脳裏に翌日の流れを描くことができれば、「午前」「午後」「夕方」「夜間」で、自分は何をすべきかが再確認できるので、出社してからの時間、そして職場を出たあとの時間も、「今日、何やるんだっけ?」などと考えることなく、また、周囲に流されることなく行動できるようになる。

私などは、就寝直前のベッドの中だけでなく、翌朝の通勤途中でも、「今日はこれから何をするのか」を想起するようにしている。

それだけでなく、ランチタイム時も、放送局を出て帰宅する電車の中でも、「次は何をすればいいのか」を、前夜の就寝前に描いたシナリオの中から呼び起こすようにしている。

何も私たちは、さきに例として挙げた羽生善治氏のようなプロの棋士ではないので、何手も先を読む必要はないが、つねに「次の一手」「この次にやること」が見えていれば、キビキビと動けるようになるはずだ。

 

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