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「女子バスケの試合は空席が多い」選手と経営者を両立する、髙田真希の熱意

髙田真希(女子バスケットボール選手・株式会社TRUE HOPE社長)

2023年11月02日 公開 2024年08月08日 更新

 

バスケに関心をもつきっかけをつくりたい

――髙田さんの会社は「ナインホープス」という遊具を開発されました。また、それを出展するかたちで「髙田真希マルシェ」を日本各地で開催されていますね。

「ナインホープス」はその名のとおり9つのゴールがあるので、楽しみ方もさまざまです。12球投げてゴールの数を競ったり、どっちが先にビンゴを達成できるかを勝負したり。これまでバスケットをコートでプレイしたことのない人でも、ボールをリングに入れたりビンゴを揃えたりする楽しさから興味をもってほしいと思って開発したんです。

さらに企画したのが、そのリングを各地に出展するイベントです。イベントには開催する地域の方々にキッチンカーやワークショップを出店していただき、「マルシェ」のような場にしています。

最初は昨年6月に自分の地元である豊橋市(愛知県)で開催して、約5000人の方に来場していただきました。今年5月には所属チームのホームタウンである刈谷市(同)で開催したところ来場者数は約1万人。7月には初めて愛知県を飛び出して、熊本でも開催しました。

お店が目的だったのにリングを見つけて遊ぶ人もいますし、その反対に「ナインホープス」を目当てに足を運んで地域の素晴らしい食べ物やお店に気づく人もいる。最終的には地域の活性化へと繋げたいと考えていますし、その手ごたえを感じています。

――今年の夏には1対1で競う新企画「CLASH BEAT」(CLASH BEAT | バスケ1on1最強をきめる。 (clash-beat.jp))を開催されましたね。

どの競技にも言えることでしょうが、学生のときにプレイしていた競技でも、いつしかやる機会がなくなって離れた人は少なくないでしょう。そんな人たちにもう一回バスケをやろうと思えるきっかけや場所をつくりたいというのが「CLASH BEAT」の狙いです。

バスケットは5人制の印象が強いでしょうが、1対1で勝負するワンオンワンだってとても魅力があります。

――今後はどのような展開を考えていますか。

出場者の一人ひとりにしっかりとスポットライトを当てて、彼ら彼女らが活躍できる場をたくさんつくりたいですね。今後は、海外の人たちも巻き込みたいと考えているんです。

海外にはストリートでバスケットをしている人たちがたくさんいて、しかもみんな上手い。そんな人たちにも大会に出てもらい、日本の選手と対戦してもらえれば面白いでしょう。とにかく多くの人にチャンスを用意してイベントを盛り上げたいです。

 

人を動かすうえで重要な2つのもの

――選手として実業団に所属していることで、経営者としての活動に障壁はあるのでしょうか。

たしかに、所属チームとの関係で自分がやりたいことが実現しにくいという声を耳にしたことはあります。ただ私の場合は、自分の活動をデンソーにしっかりと理解してもらっているので、やりたいことを思い切りできています。その意味では、自分は本当に恵まれていると感じますね。

――裏を返せば、自分の活動を所属するチームや組織に理解してもらうことが大切ということですね。

その通りです。そこで重要になるのが、結局のところ自分の強い想いです。たとえば、所属先に選手以外の活動をしたいと相談して難色を示されたとき、相手が納得できるだけの説明をできているのか。熱い想いをぶつけなければ、人の気持ちを動かすことはできません。

もしも周りが会社を始めているから自分もやってみたいというレベルの想いであれば、会社を起ち上げてもリスクのほうが大きいでしょう。しっかりと考えて知識もつけて、どれだけの想いやビジョンがあり、自分としてどうなりたいかをしっかりと説明できなければ、誰もゴーサインを出しません。

――熱い想いとビジョンが重要とのことですが、この2つはコート上でキャプテンシーを発揮するうえでも欠かせない要素ではないでしょうか。

そう思います。どんなチームや組織でも、リーダーやキャプテンが自分の考えを伝えられなかったり行動へと移せなかったりすると、周りはついていかないものです。そんなチームは結果も出ないでしょう。一丸となって目標に向かうには、まずはキャプテンがしっかりと前に進み、方向性を周囲に示すべきです。

 

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