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よく眠れないのも兆候? 「男性の更年期障害」が疑われる7つの症状

中村有吾(産業医)

2023年11月24日 公開

 

眠れなくなったり、途中で起きたりしてしまうようになった

睡眠の質や継続性の低下は、男性の更年期障害の68%の患者さんが悩んでいるというデータもあるくらい、更年期における一般的な症状の1つとして知られています。夜間に何度も目覚める、夜更かしをしてしまう、寝つきが悪いなど、これらの症状は日常生活に大きな影響をもたらすことがあります。

テストステロンの減少が直接的に睡眠障害を引き起こすわけではありませんが、このホルモンの低下は、気分の不安定さやストレスレベルの上昇につながることが多く、これが結果的に睡眠の質を低下させる要因となることが考えられます。

また、男性の更年期障害は中高年期に現れることが多いため、加齢に伴う身体の変化や生活リズムの変動も、睡眠の質やリズムを乱す要因となり得ます。

 

筋力が落ちて太りやすくなった

男性の更年期においては、筋肉量の減少や脂肪の増加が一般的に見られる現象となっています。この背景には、テストステロンの低下が大きく関与しています。テストステロンは、筋肉の合成や維持に関わるホルモンとして知られており、このホルモンの量が低下すると筋肉の萎縮や筋力の低下が起こりやすくなります。

また、テストステロンの減少は基礎代謝の低下にもつながることが知られています。基礎代謝が低下すると、消費カロリーが減少し、食事の摂取量が同じであっても脂肪が蓄積しやすくなります。これが、太りやすくなる原因の1つとなります。特に、お腹周りに脂肪がつきやすいことが分かってきています。

さらに、年齢と共に運動量が減少することも、筋力低下や体重増加の原因となる要因です。日常の活動量の低下や運動習慣の喪失は、筋肉の量や筋力を維持するための刺激が少なくなり、筋肉の衰えを招きやすくなります。

 

ほてりを感じたり、過剰に汗をかきやすくなった

更年期障害といえば、女性のほてりや発汗を思い浮かべる方も多いでしょうが、実は男性もこれらの症状を経験することがあります。男性の場合、テストステロンの低下とともに体の内外の温度調節が乱れることが考えられ、その結果、ほてりや過剰な発汗を引き起こすことがあるのです。

ほてりは、体温の急激な上昇と感じる熱さを伴い、顔や首、胸などの部位が一時的に赤くなることがあります。これに続いて大量の汗をかくことがあり、日常生活や社交場での不快感や困難を感じることがあるでしょう。

このような症状は、テストステロンの低下以外にも、自律神経の乱れやストレス、飲酒やカフェインの摂取、過度な運動など、さまざまな要因が関与していると考えられます。

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物忘れしやすくなったり、集中力が無くなり始めた

著者紹介

中村有吾(なかむら ゆうご)

オトコノクリニック院長/なかむら産業医療コンサルティング事務所代表産業医 

1989年埼玉県生まれ。筑波大学医学類を卒業し初期研修を終了後、大学病院で医師になるも過酷な労働環境のため体調を崩す。その経験から「健康的に働くことの難しさや大切さ」を再認識するようになり、働く人の健康をサポートする産業医へ転向。2018年には、なかむら産業医療コンサルティング事務所を立ち上げ、これまでに担当した従業員は3000人を超える。また産業医として活動する中で、更年期障害に悩む男性が多いことに気付き、抗加齢医学認定医とテストステロン治療認定医を取得。2023年10月に日本初の男性更年期障害専門クリニック「オトコノクリニック」(https://otokono-clinic.com/)を開業。

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