月刊誌『PHPスペシャル』での連載「働く女性のための相談室」に寄せられた、言葉遣いに問題のある上司に苦しむ方からのお悩み。公認心理師の藤井雅子さんがアドバイスします。
※本記事は月刊誌『PHPスペシャル』2024年4月号より抜粋・編集したものです
※記事内の写真はすべてイメージです
【回答者・藤井雅子(ふじい・まさこ)】
公認心理師。女性のためのカウンセリングルーム 「メンタルエステ ココロの部屋」 主宰。感情のコントロール、コミュニケーション、アダルトチルドレンのサポートがライフワーク。著書 に「ココロを軽くする考え方のレシピ」 (清流出版)などがある。
Q 【相談】上司の言葉遣いが不快
上司と話すたびに嫌な気持ちになります。 部下を「お前」と呼んだり、他部署の人の陰口を言ったり・・・。「ムカつく」 「キモい」は日常茶飯事。 さらに上の上司や人事部に相談しても、彼らには良い顔をしているようで、状況が変わりません。 上司が異動になる可能性は低そうです。 かといって、上司のせいで私が異動するのも納得がいかず、悩ましいです。
A 【回答】言葉の暴力もパワハラに該当する
このような環境では、毎日ストレスが溜まりますよね。 そんな中、すでに上の上司や人事に相談されたとは立派です。 自分を守るために行動されたのはすばらしいことです。
企業には、スタッフが心身ともに健全な環境で働けるよう配慮しなければならないという安全配慮義務が課せられています(労働契約法第5条)。 部下の管理監督が業務である管理職にも、その役割と責任があります。
安心安全な環境を整えなければならない上司自身が、業務中に暴言を吐いたり悪口を言ったりするのは論外です。 また、そうした相談を受けても上の上司と人事が動かないとなると、残念ながら組織全体に自覚が足りない可能性があります。
見過ごされやすいのですが、暴言や悪口、物にあたることは、間接的な暴力であり、パワハラに該当します。 悲しいことに世の中には、まだまだこうしたパワハラに無自覚な組織や経営者、管理職があちこちに 残っています。
被害者であるあなたが異動することに納得がいかないのは当然です。 今回にかぎらず、自分に被害があるときは、自分を守るために行動することが大切です。 でも、今回のように、すでに動いているのに事態が変わらないと困ってしまいますよね。
努力が報われないときは、方向性や方法を見直しましょう。 今回は方法、つまり作戦を見直してください。 具体的には、会社にパワハラの認識をもってもらえるように、今後は上司のパワハラ言動をできるだけ詳細に記録します。 録音してもかまいません。 そして、人事に「パワハラだと思うから、適切に対処してほしい」と改めて願い出ます。 そこまでやっても動かない組織なら、あきらめて納得して次の道に進めるのでは。
被害を受けたとき、受け身のままでは事態は変わりません。 自分を守るためには、建設的に動くこと。 うまくいかなければ、別の方法を試すこと。 必要な情報を探すこと。 専門家に相談すること。 動けば必ず道はひらけます。 もう少しだけ頑張って!






