防災士の資格を活かし、地域での講演やイッツコムの番組「イッツコムおうち防災のすすめ」への出演など、防災の知識を伝える活動を続けている安田大サーカス 団長安田さん(イッツコムでは当番組をはじめ「イッツコム防災Action」と題し3月、4月に防災の大切さを発信)。
昨年9月には、YouTubeの撮影中に偶然出くわした火災現場で消火活動にあたり、その行動が評価され、目黒消防署の署長から感謝状が贈られました。
本稿では、その消火活動の一部始終に加え、「イッツコムおうち防災のすすめ」への出演を通して、団長安田さん自身が実際に試してみた防災の工夫についても伺いました。
防災を意識して、大人用をオムツを使ってみた

「イッツコムおうち防災のすすめ」撮影現場
――イッツコムの番組「イッツコムおうち防災のすすめ」は現在4回目まで放送が終わり、次回で5回目となります(3月29日放送)。防災をテーマにした番組ですが、ここまでやってこられたご感想はいかがでしょうか。
【団長安田】こうやって「役に立つかもしれない」「役に立てるであろう」内容のお仕事って、なかなかないんですよね。だから、この番組が続いてくれたら嬉しいなと思っています。
――防災アナウンサーの奥村奈津美さんとのやりとりも、テンポが良くて印象的ですよね。
【団長安田】奥村さんが、難しいことを全部処理してくれているんですよ。僕が分からないことも、全部教えてくれる。
防災士の資格は取ったとはいえ、忘れていることや抜けていることもあるんです。
そういうところを番組の中で改めて再認識できるし、「あ、そうなんだ」って気づかされることも多い。すごく勉強になっています。
――これまで4回放送してきて、特に印象に残っているテーマはありますか。
【団長安田】一番最近でいうと、やっぱりトイレ問題ですね。
あれをやってから、他のイベントでもトイレの話をすることが増えましたし、僕自身も大人用オムツを買いました。
――大人用オムツですか。
【団長安田】はい。トイレが使えなくなった時のためですね。簡易トイレを使うのって、もったいないじゃないですか。いざという時まで保管しておきたい。
オムツなら渋滞の時にも使えるし、災害時にも使えるんじゃないかと思って。
ちょうど別の番組で、かくれんぼをする番組があって、「隠れてる時にトイレ行きたくなったらどうしよう」と思って、半分冗談、半分本気で買ったんですけど、「これ、防災にも役立つな」と思って、今も置いてます。
――実際に試されたんですか。
【団長安田】いきなり使うのは怖いので、一度試しました。
さすがにベッドで寝ながらは怖かったので、お風呂で(笑)。
――やってみてどうでしたか。
【団長安田】意外と気持ちよかったです。じわっと温かくなる感じで(笑)。
その場ですぐシャワーを浴びられるっていうのもありますけどね。
完全にこれでOK、とは言えないけど、どうしようもない時はアリなのかな、と思いました。
昨年9月の中目黒の火災対応
――「イッツコムおうち防災のすすめ」第5回目の収録場所は本所防災館ですが、さまざまな体験ができる施設ですよね。
例えば、車内が浸水した際、どれくらいの水位でドアが開かなくなるか実際に試したり、放水の体験ができたりします。
【団長安田】これは普通じゃ試せないですよね。
実は僕、去年の9月に、中目黒で実際に火事の現場に居合わせたんですよ。
――消火活動をされたんですよね。
【団長安田】木に延焼した火を消しただけなんですけど。
初めて火事の現場に遭遇した時は、いきなりだと何もできないと思うので、体験をしていると少しは落ち着けるのかなと思います。
――火災の対応のなかで、防災士の資格が活きたと感じる部分はありましたか。
【団長安田】完全にあったと思います。
――具体的には、どんなところで活きたと感じましたか。
【団長安田】声かけの部分ですね。
阪神・淡路大震災の経験もありますし、防災士として勉強したこともあって。
あと、コラボさせていただいたバーチャル防災訓練ゲーム『5-Minute Escape』をやってたんですよ。
火災現場の近くに神社があって。神社って外にライトがいっぱい付いてるじゃないですか。ああいうのを、電源から抜いてくれ、というのも、そのゲームで学んだことでした。
そういう体験を含めて、一回でもやっておくとやっぱり違うんだなと思いました。
防災士の勉強は、正直ダーッと詰め込んだ感じなんですけど、それでも「この時はこうしたらええんちゃうかな」という判断は、冷静にできた気がします。
――声かけによって、周りの反応は?
【団長安田】僕が声をかけている最中に、隣の隣の家から車が2台、駐車場を出て行ったんです。
ただ、普段停めている場所なのに、何回も切り返して、なかなか出られなくて。
「落ち着いて、落ち着いて!」って僕の大声で落ち着けなかった可能性もあるんですけど。
まず声をかけて、119番してという段取りや順序は、防災の専門家の方もニュース番組で「良かった」と言ってくれていました。
その後も、安全な場所からできる範囲で延焼を防ぐ行動を取ったことについては、「いい行動だった」と言っていただけたので、よかったのかなと思います。
炎の熱さ、煙の怖さをかなり感じた

――やはり、学んでいないとなかなかできない行動ですよね。
【団長安田】逃げることが最優先なのは大前提です。
でも、安全な場所からであれば、できることをやるべきだとも思っています。
神社の方がホースで水を撒いていたんですけど、僕より高齢の方だったので、何かあった時に逃げられないと思って。
「僕がここやるので、やってほしい場所だけ教えてください」と伝えました。
境内の神社の一番大事な場所は濡らしてほしいと言われたので、「それはもうやっときます」と。
その神社の方には「もう逃げてください」と伝えました。
僕はまだ走れるし、逃げられるからここをやります、という判断でした。
――消防が来るまで、結構時間があったと伺っていますが。
【団長安田】体感では、めちゃくちゃ時間がかかっているように感じました。でも、実際はどれくらいだったのか、全然分からないです。
よく「何分で判断したんですか」「何秒で決断したんですか」って聞かれるんですけど、時間を見ている余裕はなかったですね。
現場からけっこう離れていても、炎の熱さとか、煙の怖さっていうのは、かなり感じましたね。
その後、警察が来て、「その時間、何をしていましたか?」って聞かれて、え、容疑者? って思ってびっくりしました。
――感謝状は、今どこに飾っているんですか。
【団長安田】玄関に飾っています。
(取材・執筆・撮影:PHPオンライン編集部 片平奈々子)







