2028年度に引き上げ予定 話題の「独身税」こと子ども・子育て支援金って結局なに?
2026年10月30日 公開
2026年度から、給与明細に新しく登場した「子ども・子育て支援金」という項目。結婚や子どもの有無にかかわらず国民全体が公平に負担するしくみだが、独身の人や子どものいない世帯には恩恵を感じにくいとして、SNSなどでは「独身税ではないか」と話題になった。書籍『給与明細から学ぶお金のキホン』(日東書院本社)をもとに、この新しい制度を解説する。
※本稿は、高橋創著『給与明細から学ぶお金のキホン』(日東書院本社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
新しい少子化対策の1つ

給与明細に記載される「子育て支援金」の項目(『給与明細から学ぶお金のキホン』より)
少子化と人口減少が進む中、将来の社会を支える子どもを増やすことが、社会全体の大きな課題となっている。こうした状況を受け、2023年に策定された「こども未来戦略」の一環として、2026年4月から始まったのが「子ども・子育て支援金制度」だ。
妊娠出産への給付や、保育サービスの充実などに充てられる。結婚や出産を望む人が経済的な不安から諦めることのない社会を目指すしくみで、子どもや子育て世帯を社会全体で支える、というのがこの制度の目的だ。
医療保険のしくみを活用
支援金は「医療保険のしくみ」を通じて、企業とともに幅広い世代で負担する。健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料にそれぞれ上乗せする形で徴収されるため、加入している医療保険の種類によって負担のしかたが変わる。
子ども・子育て支援金制度は「独身税」?

加入する医療保険ごとの支援金額推計(『給与明細から学ぶお金のキホン』より)
子ども・子育て支援金は少子化対策のための新しい制度だが、当初は独身者や子どものいない家庭には恩恵が感じにくいとの声もあり、「独身税ではないか?」と話題になった。
支援金は健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料に上乗せされ、未婚・既婚・子どもの有無にかかわらず、国民全体で子どもや子育て世帯を支えるしくみだ。
子どもを持たない人にとっては、負担だけが増えるように感じられるかもしれない。しかし、将来の社会を支える次の世代を育てることは、結果的に全ての人を支えることにもつながる。
制度は段階的に実施

出生後休業支援給付や児童手当の拡充など、支援金でまかなわれる(『給与明細から学ぶお金のキホン』より)
支援金の負担額のもとになる「支援金率」は、2026年度から段階的に導入され、2028年度に向けて引き上げられる予定だ。(2026年度が0.23%→2028年度には0.4%(予定))。ただし、支援金は「社会保障の歳出改革」とあわせて実施されるため、支援金の導入による実質的な負担は生じないとされている。
2026年度の支援金額推計(平均月額)は、健保組合が被保険者1人当たり約550円、国民健康保険が1世帯当たり約300円、後期高齢者医療制度が被保険者1人当たり約200円。会社員は健保組合の欄が該当する。
子ども・子育て支援金は会社と折半
支援金の額は医療保険制度ごとに定められ、会社員の場合、給与や賞与をもとに支援金額が算出され、基本的に本人と会社が折半して負担する。健康保険料とあわせて徴収されるが、給与明細には「子ども・子育て支援金制度」と個別に記載される場合もあれば、健康保険料に含まれている場合もある。支援金は医療保険のしくみを通じて、企業とともに幅広い世代で負担する。今後、制度や負担額が変わる可能性もあるため、その動向を確認しておこう。








