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成績が上がらない子の親の口ぐせ「うちの子は頭がよくない」

石田淳(社団法人行動科学マネジメント研究所所長)

2011年06月18日 公開 2022年09月08日 更新

成績が上がらない子の親の口ぐせ「うちの子は頭がよくない」

勉強ができない子供をいくら叱っても、机に向かい始める気配すらない。子育て中のお父さん、お母さんにこのような悩みを抱える人は多い。

教育やビジネスの現場でコンサルティングとして活躍する石田淳氏は、できない子共は、勉強の「やり方」とその「続け方」を知らないからだと語る。ではやり方を知らない子共は、どうすれば身につくのか。

※本稿は、石田淳 著『ママのやさしさが、学力を伸ばす』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

行動科学を応用した教育指導

世の中にはできる子とできない子がいます。できない子に対して、親や教師は叱ったり励ましたりしますね。しかし「親の心子知らず」とはよく言ったものです。できない子は聞く耳を持ちません。

口がすっぱくなるほど言い聞かせてもなかなか勉強を始めないし、ようやく机に向かったと思えば窓の外をぼんやり眺めている。あるいはノートに落書きをしている。

キャラクター文具で遊んでいる。姿勢をくずしてだらけている。親の足音が聞こえたとたん、あわてて教科書を広げ、いかにも考え込んでいるふりをします。

私は学習塾を経営する中で、生徒たちの行動をつぶさに観察してきました。そして、大部分の子どもがなかなかやる気を出さない理由について考えました。

学校の勉強は決してむずかしいものではありません。文部科学省の「学習指導要領」を見ると、教える内容は子どもの頭で理解できることに限られています。

義務教育の目的は計算や言語の基礎、初歩的な一般常識を教えることですから、量子力学や地球物理学といった高度な学問は出てきません。1年生なら1年生、5年生なら5年生に理解できる内容だけを教えているのです。

だとすると、極端にできない子がいるのはおかしな話です。しかし、現実にはできない子がおおぜいいますね。塾に入れても、家庭教師をつけでも、なかなか成績が上がりません。これは一体どうしたことでしょう。

私はこの謎について考え続け、ある方法にたどり着きました。それが「行動科学ティーチング」です。

行動科学ティーチングは科学から生まれた指導法です。科学にもとづいた手法ですから、いつ・どこで・誰がやっても同等の効果をもたらします。

できないのは、勉強の「やり方」を知らないから。そしてその「続け方」を知らないから。できない子はこのどちらかに当てはまります。例外はまずありません。正しいやり方や続け方を教えるだけで、どんな子も必ずできるようになります。

行動科学ティーチングを学ぶと、子どもの学習だけでなく、さまざまなシーンで役に立ちます。企業の社貞教育や人材管理、家庭でのダイエット、禁煙、さらに子どものしつけなど、応用範囲は無限と言っていいでしょう。

人間の行動原理を分析して生み出された手法ですから、人間の行動に関することすべてに使えます。相手が大人だろうと子どもだろうと、正しく使えば確実に効果が得られます。

年齢や性別、学歴、職業にかかわりなく、どんな人でもやる気を引き出し、自発的に行動させることができるのです。

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"頭が悪いから成績が悪い"は「勘ちがい」

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