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グーグル社員が実践する「マインドフルネス瞑想」 科学的に証明された効果

河原千賀(アメリカ在住ジャーナリスト)

2025年03月29日 公開 2026年03月26日 更新

グーグル社員が実践する「マインドフルネス瞑想」 科学的に証明された効果

膨大なタスクに追われ、毎日クタクタになって帰宅する......そんなビジネスパーソンは多いだろう。変わらない日々を過ごしがちだが、アメリカのビジネスエリートは、「ある工夫」をしながら効果的に休む術を知っている。本稿では、ロサンゼルス在住の河原千賀佳氏が、グーグル社員が実践している「マインドフルネス瞑想」について紹介する。

※本稿は『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』(PHPビジネス新書)より抜粋・編集を加えたものです。

 

グーグル社員が実践するマインドフルネス瞑想

マインドフルネスとは、過去を振り返ったり、未来を想像したりせず、「いま、自分がいる、ここ」に意識を向ける状態をいう。「いま、この瞬間」に意識を集中させて、思考や感情にとらわれず、客観的にただ観察する心の状態だ。

もともとは、スリランカやミャンマーの上座部(テーラワーダ)仏教において、仏典に用いたパーリ語「サティ」の英語訳で、欧米文化に馴染むように、宗教色を取り外したものがマインドフルネスだ。

マサチューセッツ大学医学教授のジョン・カバットジンがマインドフルネスを医療分野に取り入れたところ、科学的にもその効用が証明されたことから欧米人に受け入れられた。

健康やストレス解消のみならず、集中力の強化、仕事の効率アップなどの効果を期待してマインドフルネスを取り入れるビジネスパーソンも多い。

さて、グーグル流のマインドフルネスは、「サティ」をわかりやすく体系化したことで、いまや多くの企業にも導入されている。

『サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』(チャディー・メン・タン著、柴田裕之訳、英治出版)によると、マインドフルネスの目的は、どこか別の場所へ行くことではなく、いま、この場所に完全に存在し、その完全な存在と意識の力を、いまこの瞬間に認識すること、とある。

言い換えると、マインドフルネスは「己の内を探る旅」であり、幸せとはトレーニングで身につけることができる「技能」だという。

努力次第で、幸せも手に入れられる。アメリカ人好みの考え方で、いかにもグーグルから生まれた即効性のある、実用的なプログラムのようだ。

そこで、SIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)グローバルサイトにアクセスしてみた。

SIYは神経科学、マインドフルネス、EQ(心の知能指数)の3つの軸から成り立ち、マインドフルネスは注意力トレーニング、とも呼ばれている。4週間のプログラムはオンラインでも受けられる。

実用的かつ、科学的根拠に根差した方法で、EQ、ウェルビーイング、忍耐強さ、個人的、企業的リーダーシップを向上することが約束されている。

20カ国以上で、10万人以上の人がこのプログラムを受け、93パーセントの人がこのプログラムを推薦する、とアンケートに答えた実績まで記されている。

お寺で無心に瞑想する僧侶の姿を目にしている日本人にとっては、トレーニングと呼ばれるマインドフルネス瞑想は、実用的すぎて、少し違和感があるかもしれない。

なんとなく、初めてアメリカで「カリフォルニアロール」というアボカドとマヨネーズの入った寿司を見たときのような気分だが、これがけっこう美味しい。初めは生の魚に抵抗を感じていても、そこから一般的な寿司にチャレンジするアメリカ人は多いものだ。

あまり難しく考えすぎず、ジムに行くような感覚で、マインドフルネス瞑想を体験してはいかがだろうか。

 

時間がなくても、まずやってみる

『サーチ・インサイド・ユアセルフ』では、「瞑想は運動のようなもの」と語られ、目的に合わせたいくつかの「エクササイズ」が用意されている。そのなかから、最も簡単な「2分間でできる瞑想」の要点だけを紹介する(もっと詳しく知りたい方は、一読をすすめたい)。

 

●2分間でできる! マインドフルネス瞑想

【準備1】良い意図を生み出す

この「良い意図を生み出す」という行為自体が、瞑想の一形態なのだ。「私は落ち着いている」「いまの自分に集中しよう」など、同じ意図を何度も生み出し、習慣化し、行動を導く。

【準備2】呼吸をたどる

意図を生み出したら、呼吸のプロセスにそっと注意を向ける。これだけでいい。気が散ったら、呼吸のプロセスに注意を戻し、再び集中する。このとき、自己批判やネガティブな自己評価が頭をよぎったら、自分への優しさや好奇心に満ちたポジティブな考えに促すこと。

ここまでできたら、実践しよう。

【実践】

まずは、リラックスして、ラクな姿勢で座る。

続いて、ゆっくり3回深呼吸をする。自然に呼吸し、鼻の穴、お腹、呼吸する体全体におだやかな注意を向ける。
吸気と呼気のあいだを意識する。感覚や考えや音によって気が散っても、ただそれを認め、経験し、優しくそれを放してあげよう。こんなイメージだ。

息を吸い込みます。私は穏やかです
息を吐き出します。そして微笑みます
いま、この瞬間は素晴らしい、と感じて終了

 

これなら、簡単に始められそうだ。大切なのは、続けること。筋トレと同じだ。そして、少しずつ時間を増やしていこう。

 

プロフィール

河原千賀(かわはら・ちか)

ジャーナリスト

大阪府生まれ。1988年よりアメリカ在住。大谷大学短期大学部幼児教育学科、カリフォルニア州立大学心理学部卒業、同大学院教育心理学部修士課程修了。2018年より、ロス・パドレス国立森林公園内のプライペートコミュニティに在住。星空の美しい自然の中で、人間力を回復するための数々の活動を行なっている。河原氏の初の著作『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』(PHPビジネス新書)が絶賛発売中!

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