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髪型から洋服選びまで~干場義雅流 知っておきたいスタイルの基本と身だしなみ

干場義雅

2016年05月12日 公開 2024年12月16日 更新

PHP新書『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』より

洋服を着る前に、まず中身を磨くことが大切

 これこそ、本質的で根本的な話になってしまいますが、洋服を着る前の中身がカッコよくなければ、美しいスタイルは決して完成しません。

 それは、美男子であるということではなく、いくらいいスーツやジャケット、シャツを着ていても、手を出したときに指の爪が汚かったり、笑った瞬間に覗く歯がなかったり汚かったり……しては、洋服を着る以前の身だしなみの問題です。

 これは男性だけでなく女性にも言えることですが、肌質、髪質、髪型、爪、歯、香りなど、そういう中身に関する部分を健康的に保ち、磨くことが大切なのです。

 健康的な肉体をつくる、維持するという面で、きちんとバランスの取れた食事を摂ることや、十分な睡眠を取ること、生活のリズムを正すという根本的な部分が、それこそスタイルすべての根本につながっているのです。

 現在のビジネスシーンでは、髪型に関しての常識がかなりゆるくなっています。スーツスタイルの説明をした際、よくも悪くも基準値が上がっているという話はしましたが、髪型に関しても欧米化の流れが進み、髪の色を明るくしたり、髪の毛を伸ばしたりしていても、さほど会社から注意されなくなりました。

 ただ、ビジネスマンがホストのような華やかな髪型をしてスーツを着ていても、それはホストにしか見えませんし、逆にスーツに似合うような七三分けにしてTシャツにジーンズというラフな格好をするのも、トゥーマッチです。

 つまり、髪型というのは人をイメージさせるうえでとても重要な要素であり、その人のスタイルは髪型で決まると言っても過言ではありません。髪型がそれなりでなかったら、どんなに仕事ができても評価を下げてしまうこともあるのです。

 ビジネスシーンに合う髪型という話の前に、まずは髪質をよくしておくこと。これは繰り返しになってしまいますが、爪や歯と同様で、健康的という意味で、きちんとした生活リズムと、ヘアケアを怠らないことが大切です。

 毎日洗髪するのが当たり前ですが、髪を洗う場合はヘアマッサージもする。髪が長ければ、濡れた髪をタオルで拭くだけではなく、ドライヤーを使ってきちんと乾かすことも重要です。食べるものにしても、いいものばかり食べていてはダメ。頭皮の脂分が多くなり、抜け毛の原因になってしまいます。

 男性は女性に比べ、髪の毛の手入れをすることを怠る傾向にありますが、最低限のヘアケアをしておくことも絶対に必要です。髪型よりまずは髪質。同じ髪型をしていても、年齢は髪質に出てくるもの。逆に髪質がよければ、バリバリ仕事ができるエネルギッシュな男性に見られることでしょう。

 では、具体的に髪型を決める際に気をつけるポイントはどこにあるのか? これは僕の記事などでも言っていることですが、40代の大人の男性が意識すべき髪型として、スーツスタイル、タキシードなどのフォーマルスタイル、カジュアルなジーンズスタイル、そして水着が似合う髪型をするといいと思っています。

 40代とは人生の中間。ファッションも中間がちょうどいいという考え方で、カジュアルすぎもせず、クラシックすぎもしない。まさに「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。適度な清涼感は必要ですが、ビジネスシーンでの威厳もなければいけません。そういう要素を意識して髪型を決めるといいでしょう。

 水着に似合う髪型というのは、普段はきちんとしたビジネスマンなのに、プールサイドでは濡れた髪がボサボサに。そのギャップが女性の心をくすぐるセクシーさとなるという、僕の遊び心的発想。普段は見せないそういう姿を持っておくと、男としての深みは増すはずです。

 少し話が逸れてしまいましたが、ビジネスマンならスーツスタイルに似合う髪型が基本中の基本です。ただ、ビジネスシーンに合うということを意識しすぎるのではなく、ある程度の応用性を持った髪型にしておくというのも大切だということなのです。

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髪型を決めるのも、洋服選びによく似ている

著者紹介

干場義雅(ほしば・よしまさ)

ファッションディレクター

1973年、東京都生まれ。『POPEYE』で読者モデル、BEAMSでセールスを経験後、出版社に勤務。『MA-1』『モノ・マガジン』『エスクァイア日本版』を経て、『LEON』創刊に参画し、ちょい不良ブームをつくる。その後、『OCEANS』創刊時の副編集長兼クリエイティブディレクターとして活躍。2010年、ファッションディレクターとして独立。12年、株式会社スタイルクリニックを設立し、代表取締役に。現在はテレビ、ラジオに加え、ブランドのプロデュースやトークイベントなど、メディアの枠を超えて活躍中。40代向けウェブマガジン『FORZA STYLE』の編集長も務める。

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