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髪型から洋服選びまで~干場義雅流 知っておきたいスタイルの基本と身だしなみ

干場義雅

2016年05月12日 公開 2016年05月12日 更新

干場義正雅

 

髪型を決めるのも、洋服選びによく似ている

 具体的な髪型を決めていくにはまず、自分がどんな顔をしているのか、どんな顔の大きさなのかを知る必要があります。日本人の顔は欧米人に比べて平面的であるため、洋服が似合う半面、彼らのような髪型は似合わないことが多い。ですから、その平面的な顔をいかに立体的に見せるのかを考えてオーダーするといいと思います。

 また髪の毛というのは人それぞれ違います。柔らかいのか硬いのか、茶色いのか黒いのか、多いのか少ないのか、クセがあるのかないのか。そういった質感だけでなく、生え際の位置や額の広さ、もみあげの形など、個人差が多いため、この髪型がいいという正解は、いろいろと試してみなければわからないでしょう。

 つまり、自分の骨格や顔のバランス、髪の毛の質というものも、きちんと理解し研究しなければなりません。そのためには、ヘアサンプルをよく見ること。自分に似合う髪型という情報を少しずつアップデートしていく必要があるのです。

 僕は、ヘアメイクの越智めぐみさんがやっている表参道にある「アルファラン」という信頼できる美容室に通いだしてもう15年になります。僕の仕事上、髪を切りにいく頻度は一般のビジネスマンよりも高いですが、切りにいく際はよく、自分がしてほしい髪型を説明するためにイラストを書いていきます。そうやってきちんとイメージを伝えなければ、せっかく研究した成果を試すことはできません。もちろん、美容師も信頼できる人のほうがいい。僕のように、普段はどんな洋服を着たいとか、どんな格好をする予定だとか、自分の趣味や趣向を伝えておけば、美容師が髪を切る際にイメージを抱きやすいもの。そうやって常連になれば、多くを伝えなくても、したい髪型をすぐに理解して、それを形にしてくれるようになるでしょう。

 まとめると、まずは自分のことをよく知ること。そして、多くのサンプルを見て似合う髪型を研究すること。それを信頼できる美容師に伝えること。そういう部分では髪型ひとつ決めるのも、洋服の選び方によく似ていると思うのです。

 

いかに自然体に見えるように工夫するか

 髪型、髪型とばかり言っていますが、すでに髪の毛がないという人もいるはず。じつは私も、先日行ったヘッドスパで、将来は80%の確率でハゲるという恐怖の診断を受けてしまったのですが、そういう悩みを持つ男性も少なくないでしょう。

 最近あまり見かけなくなりましたが、頭頂部がハゲてしまったのに、それをムリに隠そうとサイドの部分から髪の毛を持ってくる、いわゆるバーコードヘアのような髪型は、正直カッコ悪い。ムリに誤魔化したり、若づくりしようとせずに、いかに自然体でいるかというのも、大人の男性の魅力につながると僕は思うのです。

 これは髪型だけでなく、体型についても同じことで、ハゲているからカッコ悪いわけではないし、太っているからでも、身長が小さいからでもない。カッコ悪さを出してしまっているのは、それを誤魔化そうと足掻いている自分なのです。

 身体的なことは努力では治らない。抜けてしまった髪の毛が生えてくることはもうないのだという事実を、まずはきちんと受け入れなければならないと思います。

 そのなかで、歯が汚いのであればホワイトニングを行うのもいいし、髪が薄くなってきたならば育毛に励むのもいい。もう髪がほとんどないなら、潔く切ってしまうのもいい。太っているのならば、力強いキャラクターをつくってカッコよく見せればいい。整形手術をすればとまでは言いませんが、そういった自分の欠点をいかに自然体に見せるか、工夫する必要があるというだけなのです。

 これは簡単なテクニックのひとつですが、髪の薄い人がそれをぼかすやり方として、肌の色と髪の色のコントラストを弱めるという方法があります。それは髪を短くして軽く日焼けをすること。適度な日焼けならば、健康的に見せてくれる効果もあります。髪の色と肌の色を近づけるという意味では、体毛が濃い人も日焼けをすれば、毛自体に目が行かなくなるという効果もあるのです。

 自分の欠点から逃げるのではなく、きちんと向き合っていく姿勢も、カッコいいスタイルづくりには必須科目なのかもしれません。

著者紹介

干場義雅(ほしば・よしまさ)

ファッションディレクター

1973年、東京都生まれ。『POPEYE』で読者モデル、BEAMSでセールスを経験後、出版社に勤務。『MA-1』『モノ・マガジン』『エスクァイア日本版』を経て、『LEON』創刊に参画し、ちょい不良ブームをつくる。その後、『OCEANS』創刊時の副編集長兼クリエイティブディレクターとして活躍。2010年、ファッションディレクターとして独立。12年、株式会社スタイルクリニックを設立し、代表取締役に。現在はテレビ、ラジオに加え、ブランドのプロデュースやトークイベントなど、メディアの枠を超えて活躍中。40代向けウェブマガジン『FORZA STYLE』の編集長も務める。

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