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くらし

人生も仕事も充実する「大人の趣味」の見つけ方

名越康文(精神科医)

2017年02月21日 公開 2023年09月12日 更新

 

趣味がない人にまずやってほしいこと

 ところが、そうした愛着の対象を持たなかった人もいます。とくに、「しらけ世代」「新人類」と呼ばれた今の40~50代には多く見られます。この年代の人々はすぐ上の団塊世代を反面教師とし、「熱くなること=カッコ悪い」あるいは「もう別に新しくすることもない」という価値観を持ってしまった世代ともいえ、確固とした支柱がなく、何かを夢中で追う経験が少なかったということがあります。

 しかしそんな世代でも、これからでも好きなことを見つけられます。それには、好きなものの「傾向」を考えること。スピードに身を任せること、静かに探究すること、季節感を肌で感じることなど……直観的に「好き」と感じるものを考えてみてください。

 こうして「好きになれそうなこと」に当たりをつけて、探索をしてみましょう。スピード好きなら車に凝ってみる、研究肌なら歴史などの講座に行ってみる、季節感を味わいたいなら登山をするもよし、俳句を詠むもよし。いくつか試す中で、きっと「これだ」と思うものに出合えます。

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苦痛を超えてこそ大きな喜びが得られる

著者紹介

名越康文(なこし・やすふみ)

精神科医

1960年、奈良県生まれ。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現・大阪府立精神医療センター)精神科主任を経て、99年退職。引き続き臨床に携わる一方、テレビ・雑誌・ラジオなどのメディアで活動。近著『僕たちの居場所論』(角川新書)など著書多数。

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