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韓国でカトリックが急増 ローマ法王が朝鮮半島に与える影響力

2018年12月26日 公開

徳安茂(元外交官、在バチカン前公使)

ラウル・カストロ国家評議会議長(左)と、バチカンではじめて会談を 行なった。
ラウル・カストロ国家評議会議長(左)とローマ法王フランシスコ。(AFP=時事)

<<ローマ法王庁を擁するバチカンは世界最小の国だが、世界に与える影響力は実に大きい。ローマ法王フランシスコはウクライナ紛争について露プーチン大統領に和平実現を促し、米・キューバ国交正常化に貢献するなど、国際政治の要所においてその存在感を示している。

『なぜローマ法王は世界を動かせるのか』の著者であり、前バチカン公使の徳安茂氏が同書において、バチカンの情報ネットワークの強力さと朝鮮半島に及ぼす影響力について言及してる。ここではその一節を紹介する。

※徳安茂著『なぜローマ法王は世界を動かせるのか』より一部抜粋・編集したものです。
 

世界中に張りめぐらされたバチカンの情報ネットワーク

法王庁には、正式な外交使節(在外公館)からの情報のみならず、世界各地に根を張った司教区や末端の現地の教会から上がってくる膨大な情報が蓄積されているといわれている。

そうであろう。なにしろ世界中のどこにおいても、現地情勢にかかわる情報収集と分析では、極端なことをいえば2000年以上の歴史と経験を有するのがバチカンなのである。

とくに欧州の中世においては教会組織が網の目のように社会の隅々に行き渡り、各地の教区でその土地の民衆と生活を分かち合い、奉仕活動を続ける聖職者たちの生の声がまとまった報告として法王庁に届けられていた。

その結果、バチカンは他の追随を許さないインテリジェンスの一大集結地となったのだ。

現在のバチカンにはもちろん、米国のCIAや英国の情報局秘密情報部MI6(軍情報部第6課)のような専門の諜報機関が存在するわけではない。

また、宇宙空間から光センサーを使って高画質の衛星写真を撮影し偵察活動を行なう「情報収集衛星」のような、最新の科学技術の粋を駆使した手段もない。

しかし、現場の人間の目と耳を使って収集される、いわゆる「ヒューミント」(人的情報収集技術)の分野においては、先述したように、気の遠くなるような過去から世界各地に根を張った独特の情報収集システムを保持しているのがバチカンである。

一見するとアナログな情報収集は古くて役に立たないように思われるが、2003年の米軍によるイラク侵攻を契機に、改めてヒューミントの有用性に米国をはじめとする多くの国が気づかされた。

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