鹿児島発のM&A巧者 「インフラ関連事業の複合企業体」が成長し続ける理由
2019年01月31日 公開 2019年02月26日 更新
年に11回、社員の交流会を会社持ちで
――さらに、社員の変革を促すために何かされていますか?
松﨑社長 社員の成長を促したり、コミュニケーションを強化するための手段として、わが社では「コンパ」を大事にしていますね。「京セラ流」を踏襲し、席次や式次第をつくって、最後に決意表明をするというやり方です。
正式なコンパは年4回実施で、会社が費用を全額補助しています。基本はグループ各社が部署ごとに行っていますが、不定期に「同年代のコンパ」や「全国の営業担当だけが集まるコンパ」も実施しています。
松﨑副社長 さらにコンパ以外でも、お花見や暑気払い、忘年会などの費用も全額、会社で出しています。合計すると年に11回、コンパのような会を開いていることになります。いずれの会も一次会で終わることなく、二次会、三次会と行くことが多いです。
そして新たにグループに加わって頂いた会社の社員は、一次会では緊張していて様子見な感じですが、二次会、三次会と行くにつけ、緊張がだんだんほぐれてきて、積極的に意見を言ってくれるようになります。ありがたいことに、三次会くらいまではみんな平気で来ますね、若い子でも。
――いまどき三次会まで行って盛り上がるとは、すごいですね。一方で、部署や会社の垣根を越えて、グループ各社の社員が一堂に会する場もあるのですか?
松﨑社長 「年間計画会議」というものがあります。先日は、西日本エリアの新しくグループに入った会社を中心にして、各社から混成チームで社員が集まる年間計画会議を、70名ほどで行いました。また、鹿児島の本社に各社から170名ほどが集まる、大規模なものもやっています。
会議の後はコンパです。さらに二次会に何十人も行って盛り上がります。とにかく、グループの社員間の交流は、オンとオフの両面で、非常に積極的にやっています。
――M&A戦略を積極的に展開されてから6年弱で、グループの一体感はそうとう強化された感じですね。世の中一般では、5年経っても10年経っても人事交流がなされず、古い制度が温存され、「同床異夢」的な歩みをしている会社が多々見られます。御社の努力は並大抵ではないですね。
松﨑副社長 さらにグループ各社の経営を強化し、結びつきを強めるため、インフラテックの社員にグループ会社へ異動してもらうこともあります。「3年ほど」という約束で、「アメーバ経営とフィロソフィの浸透のために行ってください」と言って、出向してもらっています。
また、社長ではなく私では役不足かもしれませんが、それでも、グループ各社、各部署の朝礼に行ったり、コンパの席に顔を出すなどして、フィロソフィの話をしています。
コンパでは一方的に話すのではなく、社員の皆さんとの双方向でのコミュニケーションを意識しています。求められれば、何次会まででも行きます。全部署に関わるので、私は平均すると、週に3日か4日はコンパに参加している感じですね。