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「老後2000万円」の衝撃 それでも慌てない人の“ほったらかし投資”

篠田尚子(しのだ・しょうこ:ファンドアナリスト)

2019年06月15日 公開 2024年12月16日 更新

 

積立投資を成功させる2つの秘訣

積立効果は「種まき」が何よりも重要

では実際に、積立投資をおこなった場合、どのように投資資金が積み上がっていくかをみてみましょう。

図は日経平均株価(日経225)に連動した投資成果を目指すAファンドを、毎月1万円ずつ、2009年3月から2019年2月までの10年間(120カ月)積み立てていた場合のシミュレーションです。

図を見てもわかるとおり、積立開始から44カ月目にあたる2012年10月末時点まで、実際の投資額に対して、運用資産の評価額はなかなかプラスになりませんでした。

しかし、その後2012年11月にプラスになってからは、評価額が完全に「黒字化」し、順調に資産が積み上がっていることがわかります。

このように、積立というのは、始めてすぐに利益が期待できるものではないものの、数年間にわたってコツコツと「種まき」を続けることで、「開花」後は順調に資産を増やしていくことができるのです。

保有する投資信託が下落したとき、不安に感じるのは、ごく自然なことです。しかし、相場の下落時に冷静さを失い、積立をやめてしまうと、結果として損失だけが残り、それまでかけてきた時間も無意味になります。
積立投資を成功させる秘訣は2つ。

1つは、時間を味方につけること。先ほどの日経225インデックスファンドの例にもあったように、積立投資は、効果を実感できるようになるまでに3年から5年程度の時間がかかります(半年から1年などの短い投資期間の場合、積立よりも一括購入のほうが相場上昇時に結果が出やすくなります)。

2つ目は、発想の転換です。相場下落時に「たくさん買えてオトク!」と思えるような発想の転換をすると同時に、日々の値動きに一喜一憂しない「鈍感力」を身に付けること。ほったらかしにできる人ほど、積立投資が成功しやすいのです。

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