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「老後2000万円」の衝撃 それでも慌てない人の“ほったらかし投資”

篠田尚子(しのだ・しょうこ:ファンドアナリスト)

2019年06月15日 公開 2024年12月16日 更新

「老後2000万円」の衝撃 それでも慌てない人の“ほったらかし投資”

<<「今後、年金だけでは、夫婦で約2000万円も足りなくなる」。そんな驚きの試算が金融庁より発表され、世間に驚きを与えました。

「え? 今から2000万円を貯めるなんてムリだよ……」という絶望の声も聞こえてきますが、「この機会に、資産形成について改めて考えよう」と考えた人も多いのではないでしょうか。

そこで、日本屈指のファンドアナリストであり『貯金も節約もできない人でもお金が増える方法』著者の篠田尚子さんに、資産を増やすポイントを、初心者でもわかるよう教えてもらいました。>>

※本稿は篠田尚子著『貯金も節約もできない人でもお金が増える方法』(かんき出版刊)より一部抜粋・編集したものです

※本稿は2019年6月時点の情報に基づき、投資に対する考え方を示したものであり、個別の金融商品を推奨するものではありません。金融商品の価値は状況によって変動しますので、購入の可否を含む投資の判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。

 

資金運用はスマホで100円から始められる

まだ始めたことのない人にとって、"資産形成"は、かなりハードルが高く感じるかもしれません。また、投資をするにあたっては、まとまった資金が必要なのではないかと思っている人もいるでしょう。

ところが、インターネットとスマートフォンの普及によって、近年このハードルがぐっと下がり、今やネット証券を使えば、100円から資産運用を始められるようになりました。まさに、この「ワンコイン投資」を実現できるのが、「投資信託」です。

投資信託とは、運用をプロにまるっとお任せできる金融商品です。

具体的には、ファンドマネジャーと呼ばれる運用のプロが、あらかじめ掲げた投資方針にのっとって、投資家から集めた資金を株式、債券、不動産などに分散投資し、その成果を最終的に投資家に還元するというしくみです。「投信」「ファンド」と呼ばれることもあります。

私たち投資家はというと、投資信託の購入後は基本的に「ほったらかし」にしておいて問題ありません。ですから、投資に詳しくない初心者でも安心して始められる資産形成術としてオススメしています。

海外では150年以上もの歴史を持つこの投資信託という金融商品ですが、近年は、日本でも、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、個人の資産形成を後押しする制度の拡充が進み、これらの制度と相性のよい投資信託にも注目が集まるようになってきています。

この投資信託とは、1つの投資信託を買うだけでたくさんの投資先に投資できる「詰め合わせ」の商品です。

株式だけ、債券だけに投資するタイプはもちろん、株式と債券の双方に投資するタイプのほか、不動産(リート)に投資する投資信託もありますし、ひと口に「株式だけに投資」といっても、日本の株式だけで構成されたもの、日本を含む世界の株式で構成されたものなど、さまざまな種類が存在します。

このように、なんらかの「詰め合わせ」になっている理由は、1つの投資信託の中で1つの銘柄だけ、あるいは、同じような値動きをする銘柄ばかり保有していた場合、相場環境が悪化すると、保有銘柄が一気に下落し、投資信託の成績も悪化してしまうからです。

このため、投資信託を運用するファンドマネジャーは、値動きの異なる複数の資産に投資をおこない、下落リスクを抑えます。これを、「分散投資」といいます。

私たち投資家は、投資信託という金融商品の「詰め合わせ」をまるごと保有することで、少ない資金でも、たくさんの銘柄に投資することができます。結果的にリスクを分散させることができ、効果的な資産運用が可能になるのです。

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積立で投資信託のリスクを抑える

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