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「老後2000万円」の衝撃 それでも慌てない人の“ほったらかし投資”

篠田尚子(しのだ・しょうこ:ファンドアナリスト)

2019年06月15日 公開 2024年12月16日 更新

 

絶対に使ったほうがオトクな公的制度

いざ投資信託で資産運用を始めようと思ったとき、まず考えるべきは、どの「器」で投資信託を購入・保有するかということです。

先ほども少し触れた通り、近年は、個人の資産形成を後押しする公的な制度が充実してきました。その代表格が、NISAとiDeCoです。

こうした制度、つまり、「器」の中で投資信託を保有すれば、自動的に節税メリットの恩恵を受けることができます。

まず、NISAとは、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度のことです。

2014年に導入された一般NISAは、年間120万円×5年間=合計600万円までの上場株式と投資信託の配当・譲渡益が非課税になります(通常は20. 315%の税金がかかる)。

対して、2018年に導入されたつみたてNISAは、その名の通り、積立を前提としているため、年間40万円の非課税枠を20年という長期間にわたって利用できる点が特徴です。ただし、対象商品は金融庁が定めた要件を満たす投資信託に限定されています。

NISAよりもさらに高い節税効果を期待できる制度としては、iDeCoがあります。

iDeCoは、国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せして、個人が任意で加入できる私的年金の一種です。

掛金が全額所得控除になるほか、NISAと同様、投資信託で運用し、運用益が出た場合は、その分も非課税になります。iDeCoは長期にわたって手厚い税優遇を受けられるのです。

日ごろはあまり意識しないかもしれませんが、資産形成と税金は、切っても切り離せない関係にあります。銀行の普通預金にただ預けているだけでも、実は利息に対して20. 315%の税金がかかっているのです。

投資信託や株式など、有価証券の配当・譲渡益(売却益)にも20. 315%の税金がかかります。20. 315%というと、1万円の利益が出ても、受け取れるのが約7970円。ですから、税負担を軽減できる制度は、最大限に活用したほうがよいのです。

何を隠そう、資産形成のプロである私も、野球観戦やライブへ行くことを何よりの生きがいにしている‟浪費型人間"です。だからこそ思います。「貯めるのが苦手なら増やせばいいのだ」と。

投資信託は、ワンコインで気軽に始められるから元手もいりませんし、リスクも調整できます。趣味にも私生活にもお金や時間を使いたいからこそ、「ほったらかし」にできる投資信託を最大限に活用しています。

せっかくのお得な制度があるのですから、みなさんもぜひ活用して、着実に資金を増やしてください。

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