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「名物講師の鉄板ネタ」絶対にスベらない“最初の一言”

小木曽健(おぎそ・けん)

2019年08月21日 公開 2022年06月14日 更新

 

最初の1分で全てが決まる

プレゼンで最も重要なのは最初の1分。大袈裟ではなくこの1分でプレゼンが成功するかどうかが決まります。ここで意識するのはただ1つ、ゲストの予想をどうやって「裏切る」か! です。

会議だろうがデートだろうが、その場に参加するゲストは、必ず何かしらの「予想」を持ってやってきます。きっと、こんな雰囲気の人がこんな服装で、こんな時間を作るんだろうな、と。そして予想通りのプレゼンが始まった瞬間、「やっぱりね」。緊張感が一気に消滅。

そうなったらもうオシマイです。どんなプレゼンでも、ゲストの緊張が一番高まるのは「始まりの瞬間」なのに、多くの人が、この最高のチャンス、タイミングに気づいていないのです。

私はインターネットの情報モラルについて講演するのが仕事ですが、そういった仕事であれば、きっとみなさん「たぶんスーツを着た人が、こういう感じで、こんな話をするんだろうな」という、それぞれのイメージを持たれると思います。ですが実際、高校などで講演する時の私の様子はこうです。

「いまご紹介頂いた小木曽です。が、私の名前なんてどうでもいい、覚えなくていいです。それよりも、私がこれからお話しする内容、何でもいいから何か持ち帰って下さい!」

「実は今日この会場に、将来ネットでの失敗が原因で人生がダメになっちゃう人が3~4人います、この会場にいます。人生終わっちゃいます、確定です。」

「だから、いまから講演してその人数をゼロにします。今日、この講演で何か一つでも持ち帰ってくれれば、ゼロにできるんです! では始めます。」

ちなみに話している場所は壇上ではありません。生徒の中に飛び込み、かき分け、歩きながら話しています。服装はTシャツ、さらに夏なら短パンです。

講演ショッパナからの「だれかの人生終わる宣言」と、それに続く「予想外」の大盤振る舞いに「コイツは何者だ」と、みな“あ然”となり、笑い出す生徒すらいます。

 

ホームゲームで勝負しよう

どんな状況、どんなプレゼンであっても、誰よりも先にその現場に足を踏み入れてください。待ち合わせのレストラン、社内の会議室、ホール……どこだって一番乗りです。

実はコレ、スポーツの世界で言うところの「ホームゲーム」を人工的に作り出す方法なんです。誰よりも早くその場に立つことで、戦いの舞台をホームゲームに変えることができます。

野球やサッカーでは、たいてい自軍の本拠地でやる試合が有利ですよね。心理学では「ホームフィールドアドバンテージ」と呼んでいますが、ルール上は対等の2チームでも、競技場の所有者と訪問者の関係になることで、ホームチームはその場を自分たちのナワバリとして支配できる、だからホームは有利だよね、という理論です。

例えば、結婚披露宴でのスピーチ。いかにも緊張しがちな場面ですが、だからこそ、会場には誰よりも早く到着するようにしましょう。誰もいない会場に立ち、すみずみまで歩き回り、観客席から壇上を見上げ、そこに立つ自分の姿も想像して下さい。

会場に人々が到着し始め、客席が少しずつ埋まっていく様子を眺めながら、「あの人たちは私のゲストなんだ。この場の主導権を持っているのは自分だ」、そんなイメージを作り上げていくのです。

もし控室があっても、できれば舞台のソデから会場をのぞいて、人が増えていく様子を見ていましょう。その舞台が完成してく「過程」を眺める行為こそ、まさにホームゲーム。時間ギリギリで会場に滑る込むようでは、ホームを作ることはできません。

プロポーズだろうが会議だろうが、とにかく、なるべく早くその場に到着し、ゲストを迎え入れること! どんなプレゼンも、ホームゲームの方が圧倒的に有利ですから。

 

謝罪会見を「公開処刑」にしない方法

これまでの人生でちょっとだけ、いわゆる謝罪会見というモノに関わったことがあります。ああいうのって、たいてい「入場シーン」がありますよね。

前方のドアから入ったとたん、待ち構えたカメラマンからフラッシュを浴びせられ、深々と頭を下げるあの瞬間! ……アウェイが確定します。どう見ても記者側に主導権を握られています。だから謝罪の会見では、ほぼ必ず「入場シーン」が放送されるんです。

そんなキツい謝罪会見こそ、誰よりも早く会場に入り、記者席をうろつき、早めに到着した記者には、こちらから「今日は忙しい時期にすみません」なんていう声をかける。このプロセスが非常に重要になります。

全員が揃うのを待ってから「ではそろそろ始めましょうか」となれば、入場シーンもなく、誰がゲストなのか明確な記者会見にすることができます。さすがにホームゲームとはいきませんが、少なくとも公開処刑ではなくなるでしょう。

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