「雑談」を「戦略的シナリオトーク」に変える
たいていの上司は、『まずは雑談で顧客の心をなごませて……』、とか『雑談を通じて仲良くなって……』など、訳知り顔で部下に教えます。雑談こそが営業力のシンボルとでも言わんばかりですが、営業に雑談は本当に必要なのでしょうか?
実は、トップ営業マンは決して雑談はしていません。営業に必要なのは、『雑に話をする』雑談ではなく、綿密に計画された『戦略的シナリオトーク』です。雑談に見えて雑談でない話。これがトップ営業マンに共通しているスキルなのです。
まずは『雑談』という言葉を捨てる
雑談という言葉を聞いて、あなたはどんな会話を想像するでしょう?
1・決められたテーマがない
2・決められたメンバーもいない
3・決められた時間もない
4・決められた目標もない
5・決められた評価項目もない
これが雑談です。つまり、無計画、無目的な話です。
社内で雑談という言葉を使いだすと、誤解が生まれてしまいます。つまり、『営業のスタートは、目的もなく、計画もない話をしなさい』と言っているようなものです。これでは、よい話ができるわけがありません。
営業に雑な意識で雑な言葉を使う無駄な時間は1秒もありません。逆に1秒1秒が戦略に基づいた綿密なコミュニケーションであるべきです。
まずは、営業行為としての雑談という言葉を使わないこと。これがトップ営業を目指すための第一歩です。
必要なのは「シナリオ」
それでは、いわゆる雑談と呼ばれることの多い営業トークの冒頭部分はなんと呼ぶべきなのでしょうか?
私はそれを、『戦略的シナリオトーク』と呼ぶことにしています。
営業トークには、綿密に計画されたシナリオが必要です。
戦略的シナリオトークは無駄話ではありません。必然の会話です。営業トークの基本はイニシアティブを持つこと。雑談に見せかけて、実は冷静に目的地に誘導していく。これが戦略的シナリオトークです。
中でも接客の最初の5分は、結果に大きく影響します。顧客は、第一印象と共に、『第一評価』を下します。最初の5分で、ほぼ顧客の答えは出されてしまうのです。
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信頼を得るためには「リスペクト」と「ライク」を?