不真面目な人ほど「実は勉強している」理由
2019年12月05日 公開 2019年12月09日 更新
勉強の仕方のマニュアルを自作する
意欲を高める2つめの方法は、「マニュアルや参考書を自分でつくる」ことです。
産業事故が起こると、「マニュアル通りにしかできない」ことが、あたかも悪いことのように非難されます。
しかし、マニュアルというのは工業生産の柱。徒弟制度を踏襲している職人の世界は別ですが、日本のGDP向上に貢献している生産工場では、マニュアル通りに進めることが基本です。
ところが、この「マニュアルに従う」というのが、われわれ人間にはときに苦痛なのです。学習におけるマニュアルとは、参考書。ただ参考書に従って進めていくのは、多くの場合、苦痛が伴います。
ですから、もし「マニュアル通りを求められる事柄」を学びたければ、自分でマニュアル(参考書)づくりをしてみてはどうでしょうか。たとえば、
・専門用語を覚えるならば、それを人に教えるための問題をつくる
・英語ならば、日本語訳に対応する覚えられない単語を空欄にした英文の穴埋め問題をつくったり、徐々に英語要素を減らしたりと工夫して問題を考える
・作業の手順を覚えるならば、誰でも見るだけでその作業を行なえる手順書をつくる
という具合です。
この「マニュアルづくり」の考え方は、日常の業務に関しても効果があります。業務をマニュアル化するつもりで手順書をつくってみると、「当たり前に行なっていたけれども、実は無駄なこと」に気づいて業務効率化につながったり、「マニュアルにしづらい、注意力に頼った作業」に気づいて作業手順そのものの見直しにつながったりすることはよくあります。
学習のプロセスを通して、あなたの業務遂行能力も上げていくことができるでしょう。
不真面目で不純な動機が、学習を促進する
意欲を高める3つめの方法は、「あえて動機を不真面目で不純に設定する」ことです。
「ネイティブレベルの英語を身につけたければ、英語しか話せない恋人をつくりなさい」
というのは、聞いたことのある方も多いのではないかと思います。
恋人と愛をささやきあいたいと思えば、英語の学習意欲が上がらないはずはありません。つまり、「勉強したい(=勉強しなきゃいけない、勉強したほうがいい)」という気持ちは、「不真面目」で「不純」な動機によって、「勉強したい(=本当に身につけたい)」に高めることができるのです。
勉強の動機の「不真面目化」「不純化」は、前述の2つの方法と組み合わせてもうまくいきます。たとえば、先生を選ぶ際には、専門分野や話の内容に加えて、「好みのタイプかどうか」をこっそり吟味してみてください。
すると、次の授業が楽しみになったり、質問したいと思えたりして、意欲が高まっていくでしょう。
あるいは、マニュアル化も、「それをいずれ販売して儲けたい」とか「業務効率化に貢献して一目置かれたい」などの気持ちをこっそりと持っておけば、身につきやすく、さらに完成度高く仕上げることができるでしょう。
ぜひ、あなたの動機を不真面目で不純に書き換えて、意欲を高める工夫をしてみてください。