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産休も育休も無い…フリーランスと会社員の格差を思い知った女性が「選んだ道」

平田麻莉(プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事)

2020年04月01日 公開 2022年08月01日 更新

 

アイディアを形にしていくゼロイチが好き

――立ち上げのときからビジネスプランは考えていた?

そうですね。ランチした日の夜、子供を寝かしつけながら、アイディアがわいてきて、眠れなくなってしまって。ベッドから起きて、設立指示書みたいなものを作って、2017年1月に設立しました。

――当初、企業規模は考えていた?

いいえ。2カ月で立ち上げたのでスモールスタートでいいと思っていたんです。ただ広報の経験がありましたから、設立の記者発表会にめっちゃ気合を入れたら、とても多く報道していただいて、1週間でメルマガ会員登録が1500人ぐらいになったんです。

その備考欄に、解決してほしいことなどの要望がぎっしり書いてあって。これは片手間でやることではないと身が引き締まって、慌てて他の仕事を店じまいしました。

――あなたにとって理想の仕事(働き方)とは?

何にも縛られたくないというのはあります。当初は協会も3年ぐらいで離れるつもりでしたが、規模が大きくなったので、あと3年はかかりそうだと思っています。

私はアイディアを形にしていくゼロイチが好きで、ポジションには興味がないんです。持続することも尊いけど、私じゃなくてもやれることは、別の人がやればいい。だから友人にはキャリアを定期的に棒に振っていると言われます(笑)。

あと、協会の仕事は無報酬でやっています。社会課題解決のためにやっているのに、それが収入源になると組織の存続やポジションが目的になってしまいやすいんです。ただ、無報酬のままだと私の業務を引き継いでもらうことは難しいので、きちんと報酬を払える形を作ることが課題ですね。

 

何かをしたいと思ったら、小さくてもいいからアクションを起こしてみる

――好きな言葉は?

人生成り行きと、足るを知る。幸せの域値をいかに低く過ごせるかを大事にしたいと思っていて、そうすると何があっても、どんなことも楽しめるじゃないですか。

――ご自身のキャリアプランはどう考えている?

私はキャリアデザインはできないと信じています。私たちの世代は就活のときに自己分析や適性診断をするのが一般的でしたが、当時から怪しいと思っていて。

だって、入社したら全然違う部署に配属されることは普通だし、私の場合は妊娠しましたし、そういうのってアンコントローラブルですよね。ただ何を選ぶのか、何をするのかは、自分で決めたいですね。

――これから何かを始めたい人へのアドバイスは?

まずこの協会はフリーランスを増やしたいと思っているわけではありません。完全な成果主義だし、すごくシビアな世界。むしろ大事なのは、会社員であっても会社によらないキャリア自律。

会社の理論に応えて長年働いた結果、退職したら他では何もできませんでした、となったら残念じゃないですか。それを前提にしつつ、何かをしたいと思ったら、小さくてもいいからアクションを起こしてみる。

いきなりお金をもらおうと思わなくても、興味があるコミュニティに参加してみたり、SNSでやりたいことを発信してみるだけでも反応があったりすると思いますよ。

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