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社会

中野信子「“毒親”という言葉の流行が、苦しむ子どもの心を救っている」

中野信子(脳科学者)、鬼塚忠(作家エージェンシー代表)

2020年04月08日 公開 2023年10月13日 更新

 

人は他者との関係の基礎を「親子関係」から身につけている

(中野)最近こんな人をみかけました。

いつも愛情が足りないような感じに苦しめられ、大切な誰かの愛を確かめようとして極端な態度を取り、かえって関係を悪くする人。

親の意志を自分の意志だと思いこみ親の満足するような結婚をしなければと思い、無謀な結婚をした人。

親のために優等生でいなければならず、そうでなかったら不安でたまらなくなってくる人。

取り上げればきりがありません。日々生きていくなかで感じる心の軋みや苦しみが、親子関係悪化の原因になっている可能性は高いと思います。

これをひもといていくことは、その根源的な生きづらさの解消につながるでしょう。それが一人だけでなく社会全体が認識すれば、人の痛みはかなり軽くなるでしょう。

重複しますが、人間関係の基本に親子関係があります。人間は生後6ヵ月から1歳半までの間に、対人関係の基礎となる型を、親との関係の中で身につけることが分かっています。

しかし、この型は意識すれば変えることが出来ます。それが毒親との向き合い方の解決方法です。

著者紹介

中野信子(なかの・のぶこ)

脳科学者

医学博士。東京大学工学部応用化学科卒業、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年から‚10年までフランス国立研究所ニューロスピンに勤務。帰国後、メディアや講演など幅広く活躍。脳科学、認知科学の最先端の研究業績を一般向けにわかりやすく紹介することに定評がある。『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)など著書多数。

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