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「娘がいたら結婚させたいのは…」ラグビー日本代表の強化委員長が語る選手たちの魅力

藤井雄一郎(ラグビー日本代表強化委員長)

2020年08月11日 公開 2020年08月11日 更新

 

次の日本代表キャプテンに必要なこと

日本代表でキャラクターといえば、フランカーの姫野和樹を忘れてはならない。日本人選手には珍しく力で壁をこじ開けられる姫野は、愛嬌のある性格で年上のリーダー陣にもすぐに溶け込んだ。

所属するトヨタ自動車では1年目からキャプテンを任されており、日本代表でもいずれ重責を担うだろう。フィールド外ではその性格でチームの象徴となり、フィールド内では試合やチームの状況を見て適切なコントロールをするのがキャプテンの仕事だ。

ここでのコントロールは、大きく分けてふたつの項目を指す。ひとつは他のゲームリーダーとプレー選択をすり合わせることだ。その試合がなぜ優勢、もしくは劣勢なのかを自分なりに理解して初めて会話を成立させられる。

もうひとつはレフリーとのコミュニケーションである。ラグビーでは反則を取られればそれだけ、陣地の取り合い、自軍ボールの確保の点で後手を踏んでしまう。そのため、もし反則が多く取られる場合は、なぜそうなっているのかをレフリーに聞いて改善策を練らなくてはならない。

もちろんレフリーは人間だから、その人の性格や癖を踏まえて話しかける必要がある。緊張してナーバスになっているレフリーにあれこれと質問してしまっては、聞きたいことを聞けないどころかチームに悪い印象を与えかねない。

このような難儀な仕事を、身体をぶつけ合うなかで遂行するのがキャプテンに求められる試合のコントロールなのだ。高いレベルの試合でキャプテンを担うには、相応の人間性が求められる。

しかも日本代表は多国籍で、国際試合のレフリーはほとんどが英語を使う。だから日本代表でキャプテンの仕事をするには語学力も重要になる。現キャプテンのリーチは、もともとニュージーランド人だった日本人とあってその点での苦労がなかった。とにかく、姫野がこれからの日本代表で課される役割は大きい。

 

経験者に示した厳しさ 

タフな選手を求めてきた結果、キャラクターが立つチームとなったジェイミージャパン。選んだプレーヤーを鍛えるために採ったのは、厳しさを打ち出す手法だった。

2015年のイングランド大会にも出場したツイヘンドリックには、フィットネスのテストで過去達成したことのない数値を求めた。もしその壁を破れなければ落選させる旨を本人に伝えたら、ミッションクリアが叶ってやがてメンバー入りとなった。

何のことはない。限界を超えられないと思っているのは、本人だけだったのだ。ワールドカップイヤーに復帰したロックのトンプソンルークにも、ジェイミーは厳しく当たった。

ワールドカップ直前の南アフリカ代表戦を終えるや「失望した」と告げ、初戦のロシア代表戦では先発からベンチに回した。しかしその後のトンプソンは、大一番のアイルランド代表戦、スコットランド代表戦で期待に応えるパフォーマンスを発揮した。

そんなジェイミーでも、厳しい決定を下すのにほんの少しだけ躊躇したタイミングがある。それについては『ONE TEAMはなぜ生まれたのか』に書いたので、ご一読いただければありがたい。

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